トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

世界文学リスト

秋の海で読みたかった本

夫と2人で旅行していた頃、スーツケースには何冊も本を入れていったものだ。飛行機や電車で「読むものがなくなった」と言うことの多い夫のために、彼が好きそうなエッセイまで見繕って持っていった。 いつの間にやら犬と赤ちゃん(ヒト)が家族に加わり、今…

最近読んだ「犬」小説

どうやら、犬を飼うDNAというものがあるらしい。犬とヒトとの共存の秘密は、遺伝子に刻まれているらしい(英国とスウェーデンの研究による)。 人生の大半を犬と暮らしている人間としては、わかるわかるーと頷いてしまう。家族の古いアルバムを開けば、父方…

月組の『グレート・ギャツビー』を観劇する前に読んだ&観た作品

月組『ギャツビー』も、後数日。千秋楽を観るのも楽しみにしています。 観劇前に読んだ&観た作品、いろいろ。 The Great Gatsbyと『グレート・ギャツビー(ギャッツビー)』(野崎孝、大貫三郎、村上春樹、小川高義・訳) The Chosen and the Beautiful / N…

わたしのサマーリーディング(世界文学編)

もう8月が終わりに近づいているとは、信じられない気持ち。毎年夏以外の季節は、夏に恋焦がれ、到来を待ち望んでいるのに、夏はやってきたと思うとすぐに去ってしまう……。 こちらは、この夏に読んだ本&夏の読書にぴったりだと思った本、いろいろ。 ノルウェ…

夏〜秋に読んだ世界文学

いつの間にか夏が終わり、9月1日からぐっと冷え込み、秋らしい秋を感じることのできないまま11月がやってきた。 我が家では9〜10月、コロナの影響で保育園休園、夫が不調でMRI(問題なしだった、よかった)、わたしは料理中に「彼女の体とその断片……薬指の標…

夏に読んだ翻訳文学(WIT month)

いよいよ8月も最終日。皆様はどんな読書の夏を過ごしましたか? わたしは実に4年ぶりに、読書に没頭できる夏休みを堪能しました。いろんな方と本の話をする機会もあり、readathonにも挑戦したりして、それはそれは楽しい夏でした! さらに8月はwomen in tran…

カズオ・イシグロが読んでいた本

そういえば数年前、「イシグロの次の小説はSFだろうな」と思ったことがあったな、なんでだっけな……と考えていて、思い出した。イシグロが読んでいる本に、テクノロジーについての作品があったのだった。The Guardianのお気に入り記事の1つに、作家が読んでい…

母と娘の世界文学 20冊

明日は母の日。いろいろな母と娘の形に思いを馳せて、大好きな「母と娘」文学をいくつか挙げてみました。もちろん母と娘文学は山のようにあるので、今本棚に入っている本(=絶対に手放すもんかと思ってる本)限定で! 母の視点 『パウラ、水泡なすもろき命…

春夏秋冬の世界文学 100冊

数年前に公開して以来、ぼちぼちと更新を続けていた「季節の海外文学」リスト。どれも最初に公開したときは大体15〜20冊程度だったので、「いつかそれぞれ25冊まで増やして、全部で100冊になるといいな〜」と考えていたのだが、けっこうあっという間に100冊…

3月に読んだ韓国文学 #koreanmarch

去年に引き続き、インスタでは世界文学読みさんたちが「#koreanmarch」を開催していたので、これ幸いと韓国文学三昧な日々を過ごした。色々な方が読んだ本や積読している本を眺めているだけで、幸せな気分に……。 わたしはといえば、新しいものは購入せずに積…

#januaryinjapan を見てる

2020年は、読書スタイルも色々と変わっていった年だったのだけど、変化の一つはGoodreadsをついにほとんど利用しなくなったことである。 ちなみに日本語での読書管理は長年読書メーターを使用していたが、こちらも数年前にやめてしまった。 どちらも2000年代…

『ピガール狂騒曲』から始まるブックリスト

[Frenesie a Pigalle] 新しいものは、いつだって月組からやってくる。 宝塚を観劇していると何度もそう思う。元男役だったちゃぴちゃん(愛希れいか)がトップ娘役になってガンガン踊り、「(トップ娘じゃなくて)トップスター」と呼ばれるようになったり、…

Book Haul: 4月に電子書籍のセールで購入した10冊(世界文学)

緊急事態宣言が延長され、外出自粛体制が続く今日この頃、みなさまは毎日どうお過ごしでしょうか。我が家のquarantine lifeはしばらく続く予定だけれど、ようやく明るく暖かくなってきたことがせめてもの救い。気分が滅入る時は太陽を浴びて、ビタミンDを摂…

「燃える」海外文学 13冊

本棚をぼんやり見つめていて思った。「火」や「燃える」という言葉がタイトルになっている本のなんと多いことか。私はかなりの断捨離アンで(座右の銘は真風涼帆さんと同じく「部屋の乱れは心の乱れ」、こんまりさんも大好きです!)、読み終えた本は基本的…

宝塚の原作を読んだログ 海外文学編

個人的な備忘録として、宝塚歌劇の原作となった海外文学の読書歴・感想をまとめてみた。 随時更新しています。 []内は宝塚で上演した際のタイトル、上演した組、最新の上演年。 『グレート・ギャツビー』 『ほんものの魔法使』 『ロミオとジュリエット』 『…

犬好きのための海外文学 25冊

犬の数だけ文学が生まれる。 とはいえ、猫に比べると主役扱いされていることは少ない気がするのはどうしてだろう。犬好きの作家より猫好きの作家の方が多い気がするのはなぜだろう。 犬好きさんのために、「犬が登場する海外文学」をまとめてみた。 *あくま…

『失われた時を求めて』 やる気の出る併読本

[À la recherche du temps perdu] 「ソドムとゴモラ」を読み終えたばかりの私のつぶやきです。 未だ終わらない『失われた時を求めて』読書体験 やる気の出る併読本 『プルーストと過ごす夏』 『プルーストを読むー『失われた時を求めて』の世界』 『ナボコフ…

夏に何を読む? 2018年サマー・リーディング・リスト色々

Twitterを眺めていると、そろそろ各誌や著名人の2018年Beach Readsやサマー・リーディング・リストが出揃いつつあるようなので、まとめてみた。 皆様、夏休みの計画はもう立てていますか? 旅行に行く方も、おうちで過ごす方も、リラックス時間のお供にどう…

雨の日に読む海外文学 14冊

先日、しとしとと一日中雨が降る日に『情事の終り』を再読した。 ロンドンを舞台にしたこの物語、最初の場面は主人公モーリスがかつての不倫相手の夫と偶然出会うところから始まる。 その夜は激しい雨が降っている。心の芯まで冷え込んでしまうような雨だ。…

Penguin Booksの新しいシリーズPenguin Modernが可愛い

先日久しぶりに神保町パトロールをして、仕上げの三省堂で見つけたPenguin Booksの新シリーズ(2018年発売)。 文庫サイズの可愛いPenguin Modernです。薄い青緑のカバーも美しくて思わずジャケ買い。シールもしくはブックマークのおまけつき。 三省堂には10…

エマ・ワトソンのブッククラブ「お題本」リスト【最終更新 2021-01-06】

何度か書いた、エマ・ワトソン主催のフェミニストブッククラブ"Our Shared Shelf*1"。Goodreads上のバーチャルブッククラブで、誰でも参加可能である。 お題本は現在は2ヶ月に1冊発表されており、全て「女性」や「平等」をテーマにした面白いものばかりなの…

南仏を舞台にした小説 5冊

海はどこまでも碧く、太陽が眩しくて、淡い色の花が咲いていて……。 空気まで甘く感じるような南仏を舞台にした小説をリストにしてみた。 『夜はやさし』スコット・フィッツジェラルド 『悲しみよこんにちは』フランソワーズ・サガン 『海を見たことがなかっ…

旅行したくなる海外文学 16冊

旅をテーマにした小説はいくつもあるが、海外文学で特に印象に残ったものをリストにしてみる。 春になると、きたるGWや夏休みのことを考えてうきうきしてしまうあなたの旅行する際のインスピレーション源として。今年は旅行する時間が取れそうにないという方…

スペインを舞台にした小説 17冊

GWまでもう少し。ニューヨーク編*1に続いて、今日はスペインを舞台にした小説を思いつくままあげてみる。 現代スペイン文学はさほど日本語に翻訳されないのが残念。それでも、いい作品はたくさんある。 スペインに行く際はぜひお供に。脳内スペイン旅行にも…

『不滅の棘』と、永遠の命を描いた海外文学

[Vec Makropulos] すごく今更だが、今年の宝塚初めは『不滅の棘』だった。愛ちゃん(愛月ひかるさん)ポスターが素敵すぎて。綺麗! 綺麗! 指の先までとにかく綺麗!(そして白いファーが似合う) 春野寿美礼さんが主演をされた初演は見ていないし、事前に…

ニューヨークを舞台にした小説 14冊

休日や出張で旅行するときは、旅行先の街、あるいは国を舞台にした小説を読むことにしている。 多分同じことをしている読書好きさんは沢山いると思うし、その内容を知りたいなとよく思う。というわけで、リストを作ってみた。 まずはニューヨーク。まごうこ…

春に読む海外文学 25冊

春にこそ読みたい小説(海外文学)のリストを作ってみた。 暖かくなってきたので、日向ぼっこをしながら桜を待つ間にでもいかがでしょうか。 タイトルに「春」を含むものから。 1. 『春にして君を離れ』 アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義…

冬に読む海外文学 25冊

「夏」と「秋」のリストを作ったのに、「冬」は駆け足で過ぎ去ってしまい……。 今更だが、長く暗い冬に読むのにうってつけの海外文学をリストにしてみた。 タイトルに「冬」が入る6冊 『冬の夜ひとりの旅人が』イタロ・カルヴィーノ(脇功訳) 『冬の犬』アリ…

秋に読む海外文学 25冊

こんにちは、トーキョーブックガールです。 だんだんと涼しくなり、秋の気配を感じますね。 読書の秋ということで、秋の夜長に読みたい海外文学をリストアップしてみました。 タイトルに「秋」が入る3冊 『族長の秋』ガブリエル・ガルシア=マルケス(鼓直訳…

宝塚で舞台化してほしい作品 海外文学編

宝塚では、『風と共に去りぬ』、『スカーレット・ピンパーネル』はもちろん、『かもめ』、『パルムの僧院』、『赤と黒』、『アンナ・カレーニナ』、『二都物語』など、かなり多くの海外文学作品が上演されています。 ですが、海外文学の虫としては、「これも…