トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

Book Haul: 4月に電子書籍のセールで購入した10冊(世界文学)

 緊急事態宣言が延長され、外出自粛体制が続く今日この頃、みなさまは毎日どうお過ごしでしょうか。我が家のquarantine lifeはしばらく続く予定だけれど、ようやく明るく暖かくなってきたことがせめてもの救い。気分が滅入る時は太陽を浴びて、ビタミンDを摂取して生き延びましょう!

    ちょっとでも楽しいことを書いてみようと思って、今日はBook Haulを。わたしが「4月にセールで購入した電子書籍」の中から、海外文学をただただ紹介する、だけ。

 電子書籍なので、写真はなし。本屋さんに行けないだけではなく、最近は紙の本を開く暇がなくて読めるのはKindleのみ(寝る前の一瞬……)だから、電子書籍のセールは本当に嬉しい。

 

 

『世界の誕生日』アーシュラ・K・ル・グィン 

世界の誕生日 (ハヤカワ文庫SF)

世界の誕生日 (ハヤカワ文庫SF)

 

  春のハヤカワ電子書籍祭(終了済)で、たんまり買い込んでしまった。あれもこれもセールになっていたんだもの。海外文学もたくさん。何度もセールになっている書籍のリストをためつすがめつしてしまった。楽しかった〜。でも、今思えば『三体』も買っておけばよかった。単行本は購入済みだが、単行本を読めるようになるのはいつの日か。

 こちらはル・グィンの短編集で、ずっと読みたかったもの。『闇の左手』のゲセンが舞台の短編「愛がケメルを迎えしとき」も含まれている。ケメルという言葉がすでに懐かしく、あの世界をもう一度体験するのが楽しみになる。

 そういえば最近、子供の頃の愛読書『空飛び猫』もル・グィンの作品だと知って驚いた(知らなかった)。この本は本当に大好きで、ぼろぼろになるまで読んだ。完全に分解されてしまい、もう手元には残っていない。もう一度読みたいなと思ったけれど、もしや絶版になっている?

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『タイタンの妖女』カート・ヴォネガット  

タイタンの妖女

タイタンの妖女

 

 ガーディアンの1000冊にも選ばれているヴォネガットの作品(『スローターハウス5』も選ばれている)。学生の頃読んだのだけれど、全く記憶に残っていないのと、紙の本は手放してしまったので、今回購入。ハヤカワ文庫SFのヴォネガット、どれも和田誠さんの装丁が素敵。この文字を見ると、なぜだかほっとする。 

 そういえば、ガーディアンの1000冊のリストが発表されたのも、もう11年も前なんですね(2009年)。今見ると、あれもこれも入っていないんだ〜と思ったり。

 

『七王国の玉座(炎と氷の歌)』/ ジョージ・R・R・マーティン 

 昨年最終シーズンを視聴して以来、長いこと『ゲーム・オブ・スローンズ』 ロスに陥っているわたし。これまでもこれからも、あれほど夢中になってドラマを見るということは、もう二度とないのでは。そして、あれほど最終回にがっくりさせられることも、二度とないであろう……。

 がっくりしたからこそ、原作を読みたくてたまらなくなった。なにせジョージ・R・R・マーティンはまだ『七王国の玉座』を執筆中で、ドラマとは異なる結末が用意されているらしい。しかし、7部作の第5部が出版されたのは、なんと9年前の2011年だという。

 これは危ない。うっかり手を出し、とりこになってしまったら、「ガラスの仮面現象」(作者が続きを書いてくれないまま何年も経過し、最終巻が出版されるのが先か、作者もしくは自分がこの世を去るのが先か分からなくなり、やきもきする現象)が待ち受けているかもしれない。

 でもセールだからやっぱり買っちゃった!

 

『ゴーストドラム』

shop.thousandsofbooks.jp

 クラウドファンディングの出版社サウザンブックスの電子書籍がセール中(5/8までとなっている)ということで、読みたいなと思っていた『ゴーストドラム』を。カーネギー賞を受賞した作品で、歴史ファンタジー。三部作なので、ゴールデンウィークに読むにはぴったりかも。

魔法使いにだけわかる言葉を伝える不思議な太鼓、ゴーストドラム。ニワトリの脚を持つ家に住む、若い女魔法使いチンギスは、ある日ゴーストドラムを通して救いを求める叫びを聞きつけた。叫んでいたのは皇子サファ。生まれてこのかた、父皇帝によってずっと塔の小部屋に閉じこめられていた……。チンギスはサファを救い出せるのか。荒涼とした北の国を舞台にくり広げられる、荒々しい魔法の物語。

 *セールになっているのは上のサウザンブックスのウェブサイトから購入する電子書籍(550円)で、下のKindleは元々の値段のまま(1650円)です。 

ゴーストドラム

ゴーストドラム

 

  

『隠された悲鳴』ユニティ・ダウ

隠された悲鳴

隠された悲鳴

 

  こちらは、Kindleの月替りセールで半額になっていたもの。ずっと読みたかったので嬉しい! 以下はAmazonより。

ボツワナの現職女性大臣が
実際の儀礼殺人事件をもとに描いた
驚愕のアフリカ発サスペンス。

ある午後、ある村で行方不明になった12歳の少女。
村では「儀礼殺人」ではと噂が流れるが、警察は野生動物に襲われたのだと結論づけた。

5年後、その村に赴任した若者が、ひょんなことから事件の真相を追うことになる。警察、政治家、実業家、校長、村人、被害者の母…
何重にも折り重なった嘘と秘密の先で、彼女が見たものとは―。

 

Celestial Bodies / Jokha Alharthi 

  今年になって、エマ・ワトソンのブッククラブOur Shared Shelfのシステムが変わってあまりフォローしなくなり、「毎月お題に沿ったものを読むということがしたいな」と思ったあげく、Instagramの#readtheworld系の#readalongに参加することにして、本ブログ名義でもアカウントを作ってみた(まだほとんど更新できていない)。

 1月は「#januaryinjapan」で日本文学、2月は「#februaryinfrance」でフランス文学、3月は「#koreanmarch」で韓国文学、とどうにか読んできた(主に再読だけど)。

 4月は「#aprilninarabia」でアラビア語文学、何にしようかな……と考えて、昨年ブッカー国際賞を受賞したCelestial Bodiesを読んでいなかったことに気付き、こちらを購入。ペーパーバックの半額。

 あっという間に読んでしまった。感想は以下。 

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 ちなみに#aprilinarabiaでは、Frankenstein in Baghdadを読んでいる人が多かった。表紙のデザインも素敵で、インスタ映えしますよね。もちろん中身もすごくよかった。

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The Nickel Boys / コルソン・ホワイトヘッド

  最近、「読みたい本」リストの作成はAmazonの「ほしい物リスト」一択。

 自分なりにグループ分けできて便利だから。「2020年新刊」、「ジャンル」、「○○文学」、「著者名」などなど自由に作成できて、探しやすいので本当に助かってます。

 そしてもう一つ、優れているのが、「ほしい物リスト」に登録してから値下がりすると、「価格が下がりました」と教えてくれること。Kindleは特に、ペーパーバックが出ると大幅に価格が下がるので、このタイミングで購入することも多い。The Nickel Boysもです。前作『地下鉄道』はちょっと映像化を意識しすぎなんじゃと思うところはあったものの、やっぱり面白かったから。

 偶然にも、購入後にピューリッツァー賞受賞のニュースが飛び込んできた(2020年受賞作となった)。読むのがますます楽しみ。

 

Fever Dream / サマンタ・シュウェブリン  

Fever Dream: A Novel (English Edition)

Fever Dream: A Novel (English Edition)

 

 こちらは2017年のブッカー国際賞のショートリストにノミネートされていた、サマンタ・シュウェブリン。シュウェブリンは、その後3作連続ブッカー国際賞/国際ブッカー賞にノミネートされている(2019年のMouthful of Birds、2020年のLittle Eyes)。

 日本語に翻訳されている『口のなかの小鳥たち』も、『七つのからっぽな家』、どちらも素晴らしかったので。ちなみにLittle Eyesも予約済み。

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Trust Exercise / Susan Choi 

Trust Exercise (English Edition)

Trust Exercise (English Edition)

  • 作者:Choi, Susan
  • 発売日: 2019/05/02
  • メディア: Kindle版
 

 なんと399円! にまで下がっていた。2019年の全米図書賞受賞作品。年末にオバマ元大統領が発表する「今年のよかった本リスト」に入っていて、やっぱり読んでおこうと思った次第。

In an American suburb in the early 1980s, students at a highly competitive performing arts high school struggle and thrive in a rarified bubble, ambitiously pursuing music, movement, Shakespeare, and, particularly, their acting classes. When within this striving “Brotherhood of the Arts,” two freshmen, David and Sarah, fall headlong into love, their passion does not go unnoticed―or untoyed with―by anyone, especially not by their charismatic acting teacher, Mr. Kingsley.

  

La Mejor Madre del Mundo / Nuria Labari 

La mejor madre del mundo (Spanish Edition)

La mejor madre del mundo (Spanish Edition)

  • 作者:Labari, Nuria
  • 発売日: 2019/02/21
  • メディア: Kindle版
 

  スペイン語では、1冊だけ。これは昨年Instagramで何度か装丁を見て、無性に読みたくなったのです。タイトルも気になって。

 35歳、「ママになる」、「子供を生まなきゃ」という心の声に従って娘を二人生んだ主人公。今までのアイデンティティ=作家と、新しいアイデンティティ=母親の間で葛藤しながら、新しい小説を書くことになる。どんな内容になるのか。パーソナルな育児日記か、母親であることを用いたフィクションか。シンデレラからボーヴォワールまで、さまざまな母親像について語る作品。

 

 みなさまは最近何を購入しましたか? 5月もhappy reading!