トーキョーブックガール

海外文学・世界文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

ブッカー賞

2019年 ブッカー国際賞ショートリスト

ブッカー国際賞、ショートリストが発表されました。 今年の特徴はなんといっても、6作品中5作品が女性作家によるもので、翻訳者に限って言えば全員が女性なことではないでしょうか。 The New York Timesも、The Guardianもその事実を大きく取り上げている。…

2019年 ブッカー国際賞ロングリスト

あっという間にこの時期がきてしまった。 2005年に創設され、著者と英語への翻訳者が共同受賞するブッカー国際賞のロングリストが発表された(3月13日)。 今年の6月からはマン・グループがスポンサーを降り、代わりをカリフォルニア在住のベンチャーキャピ…

Lincoln in the Bardo / ジョージ・ソーンダーズ

(リンカーンとさまよえる霊魂たち) Lincoln in the Bardo: A Novel 作者: George Saunders 出版社/メーカー: Random House 発売日: 2017/10/16 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る この作品が出版された時、空見でタイトルをLincoln in …

『フランケンシュタイン』と『メアリーの総て』とFrankenstein in Baghdad

(バグダッドのフランケンシュタイン) 大人になってから初めて『フランケンシュタイン』を読み返した。 子供の頃は、この話について、まあなんと理解できていなかったことか! 今だって理解できているのかと言われれば疑問が残るが、幼い時分はどこまでも追…

Autumn / アリ・スミス: 本が好きな人にはたまらない一冊

(秋) 日本語訳が発売されたばかりの『両方になる』も読みたいけれど、せっかく秋なので、こちらを。昨年のブッカー賞ショート・リストにノミネートされていた作品だ。 アリ・スミスはこの作品を皮切りにWinter、Spring(2019年3月発売予定)と、四季をタイ…

2018年のブッカー賞はアンナ・バーンズのMilkman

イギリスの10月16日に発表になった2018年のマン・ブッカー賞。受賞したのはアンナ・バーンズのMilkmanだった。 北アイルランド出身の作家がブッカー賞を受賞するのは初めてとのこと! ちなみに女性作家が受賞するのは2013年のエレノア・カットン以来5年ぶり…

Warlight / マイケル・オンダーチェ

5月に発売された、オンダーチェの最新作。即購入し読み始めて、そうこうしている間にブッカー賞ロングリストにノミネートされ、残念ながらショートリストには入らず……読了まで長いことかかってしまったWarlight。 2018年のブッカー賞ロング・リスト - トーキ…

Washington Black / Esi Edugyan(エシー・エドゥージャン)

(ワシントン・ブラック) 2018年ブッカー賞のショートリストに残ったWashington Black。一言で言うと、「楽しい時間をありがとう!」と感謝したくなるような一冊だった。 あまりに面白すぎて、数ある積ん読を差し置いてあっというまに読んでしまった。仕事…

2018年のブッカー賞ショートリスト

あっというまに9月20日。 今年のブッカー賞ショートリストの発表の日がやってきました! 7月に発表されたロングリストはこちらの通り。 www.tokyobookgirl.com 今年もFacebookのライブストリームで、ショートリストへ進んだ本が発表に。 www.facebook.com …

Milkman / アンナ・バーンズ

今年のブッカー賞ロングリストを見て、一番興味を持ったのがMilkman。 www.tokyobookgirl.com アイルランド人作家アンナ・バーンズによる3作目の長編小説である。なんだかすごく変わった味わいの小説だというのが、読み始めた時の感想。 ちなみに読み始め、…

Sabrina / ニック・ドルナソ

(サブリナ) ブッカー賞ロングリスト入りして、「おっ!」と思ったのはこの作品。 グラフィックノベルがブッカー賞にノミネートされる日が来るなんて、誰が想像しただろうか。 Sabrina 作者: Nick Drnaso 出版社/メーカー: Drawn & Quarterly Pubns 発売日:…

The Water Cure / ソフィー・マッキントッシュ

2018年のブッカー賞ロングリストにはディストピア小説が複数ノミネートされていて、興味を持ったのがこちら。 ジャンルでいうとフェミニスト・ディストピアで、『侍女の物語』やHot Milkのファンには特におすすめという触れ込みだった。 The Water Cure: LON…

2018年のブッカー賞ロングリスト

(アップデート:2018-10-17) www.tokyobookgirl.com www.tokyobookgirl.com 2018年のブッカー賞ロングリストが発表された(7月23日)。 今年は、イギリス人作家5冊、アイルランド人作家3冊、カナダ人作家2冊、アメリカ人作家3冊と結構バランスが取れている…

『わたしたちが孤児だったころ』 カズオ・イシグロ

[When We Were Orphans] 最近『わたしたちが孤児だったころ』を読んだばかりの母と話した。 私が読んだのはかなり前で、上海が舞台の探偵小説風小説…ということ以外思い出せず、まるで読んだことのない本のあらすじや感想を聞く気分で聞いていたのだけれど、…

Exit West / モーシン・ハミッド:イスラム文化圏の難民事情・ミーツ・村上春樹なのか

2017年のブッカー賞にノミネートされていた、この小説。 読んでみたいと書いてから半年経ってしまったが、ようやく読んだ。 Penguinのカバーも素敵。オレンジのイスラム建築のドアの向こうに西洋の都市(ロンドン)が見えるというもので、まさにこの物語に登…

2018年のブッカー国際賞はオルガ・トカルチュクの『逃亡派』

イギリスの5月22日、日本時間の昨夜発表になったブッカー国際賞。 受賞したのはオルガ・トカルチュクの『逃亡派』。翻訳者はジェニファー・クロフト(Jennifer Croft)。ポーランド人作家として初めての受賞となる。 ノミネート作品の中では唯一邦訳が出版済…

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か?『菜食主義者』とThe Vegetarianを読んでみた

[채식주의자] 不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か? みなさんはどちらがお好みですか? もちろん、翻訳の話です。 上記はロシア語の同時通訳者だった米原万里の著書のタイトルで、「美しいけれども原文からはかけ離れた文章(美女)をとるか、原文に忠実だが…

2018年 ブッカー国際賞ショートリスト

(アップデート 2018-05-23) 2018年ブッカー国際賞はオルガ・トカルチュクの『逃亡派』に決定。 www.tokyobookgirl.com 2018年ブッカー国際賞のショートリストが昨日発表されましたね*1。 2005年に創設された国際賞。当初は隔年選出だったものの、2011年か…

『侍女の物語』 マーガレット・アトウッド: 結婚して初めて分かったこと

[The Handmaid's Tale] マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を初めて読んだのはまだ10代の頃だった。 その後大学の授業でも読んだし、社会人になってからも読み返した。 繰り返し読んだので思い入れのある作品ではあるが、どこか自分からは遠い架空の…

2017年のブッカー賞ショートリスト

こんにちは。トーキョーブックガールです。 9月17日にマン・ブッカー賞のショートリストが発表されていました。 The Man Booker Prize 2017 | The Man Booker Prizes 今年残った6冊はこちら! 4 3 2 1, ポール・オースター History of Wolves, Emily Fridlun…