トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

宝塚・観劇

宝塚花組の『アウグストゥス』と、ジョン・ウィリアムズの『アウグストゥス』(布施由紀子・訳)

宝塚ファンには、いわゆる駄作を愛でるという文化がある。「出来の悪い子ほどかわいい」気分になるのだ。初回の観劇こそ、「全然よくなかった! ◯◯先生ってば!」と演出家を責めるものの(ごめんなさい)、そのうちに「変すぎ」と思っていた曲やセリフが頭に…

『ロミオとジュリエット』シェイクスピア(小田島雄志・訳、松岡和子・訳、宝塚歌劇団星組): 疾走する命

[Romeo and Juliet] このブログには本のことだけ書こうと思っているのですが、東京宝塚劇場での上演が始まったばかりの星組『ロミオとジュリエット』を観劇(&感激……)したところなので、今日は星担による星組礼賛日記になってしまいそう。 さて、宝塚歌劇…

宝塚・雪組公演が決定した『ほんものの魔法使』(ポール・ギャリコ・著、矢川澄子・訳)

*創元推理文庫で、5月に原作が復刊されるとのこと。Amazonの価格も高騰していたのでよかったです。 ほんものの魔法使 (創元推理文庫) 作者:ポール・ギャリコ 発売日: 2021/05/10 メディア: 文庫 【お知らせ】創元推理文庫5月刊のポール・ギャリコ/矢川澄子…

『冬物語』 シェイクスピア(The Winter's Tale、小田島雄志・訳、松岡和子・訳)

トーマス・C・フォスターによる『大学教授のように小説を読む方法』(矢倉尚子訳)には、「疑わしきはシェイクスピアと思え……」という章がある。 芝居が好き、登場人物が好き、美しい言葉が好き、追い詰められてもウィットを忘れない台詞が好き。……おそらく…

『ロシュフォールの恋人たち』は『十二夜』(シェイクスピア)から着想を得ているのか

[Twelfth Night] コロナ禍では演劇、ミュージカル、オペラ、バレエが軒並み中止され、どうなってしまうんだろうと思っていたけれど、気を揉んでいるうちに色々と再開の運びとなり、ライブ配信も一般化し、新たな観劇の方法が確立されつつある。とはいえ、い…

『ピガール狂騒曲』から始まるブックリスト

[Frenesie a Pigalle] 新しいものは、いつだって月組からやってくる。 宝塚を観劇していると何度もそう思う。元男役だったちゃぴちゃん(愛希れいか)がトップ娘役になってガンガン踊り、「(トップ娘じゃなくて)トップスター」と呼ばれるようになったり、…

タカラジェンヌと読書

コロナウイルスの影響で、観劇できなくなって久しい。春から夏にかけて観る予定だった演劇、ミュージカル、オペラなどなどがすべて払い戻しされた上に、予定していた散財(主に靴とバッグ)を取りやめたので、なんとカードの残高がマイナスになっていた。マ…

The Diamond as Big as the Ritz / F・スコット・フィッツジェラルド

(リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド) 宝塚歌劇団・期待の98期の一人、瑠風輝さんのバウ主演が決定したのが今年の3月。演目はフィッツジェラルド原作の『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』ということでちょっとびっくりした。 フィッツジ…

『オペラ座の怪人』 ガストン・ルルー(平岡敦・訳)

[Le Fantôme de l'Opéra] わたしはミュージカルが大好き。生まれて初めて観たミュージカルは確かThe Wizard of Oz(オズの魔法使い)で、生まれて初めて「これ、好きだな!」と思ったミュージカルはAnything Goesだったと記憶している。だからなのか、大人に…

『大尉の娘』 アレクサンドル・プーシキン: 若い時から名は大事(ロシアの諺)

[Капитанская дочка] もう始まってしまいました、宝塚・宙組による『黒い瞳』の博多座公演が。このブログを見てくださる方は海外文学好きな方がほとんどだと思うので、「宝塚なんのこっちゃ」かもしれないけれど、この上演作品の原作は『大尉の娘』、主人公…

『アンナ・カレーニナ』レフ・トルストイ: 決して終わらない物語

[Анна Каренина] 十年以上ぶりに、『アンナ・カレーニナ』を再読した。もちろんきっかけは、宝塚・月組にて『アンカレ』再演が決定したこと。観劇については下の方で詳しく書きたいと思うけれども、まずは(あらすじははっきりと覚えていたにもかかわらず)…

宝塚の原作を読んだログ 海外文学編

個人的な備忘録として、宝塚歌劇の原作となった海外文学の読書歴・感想をまとめてみた。 随時更新しています。 []内は宝塚で上演した際のタイトル、上演した組、最新の上演年。 『ほんものの魔法使』 『ロミオとジュリエット』 『十二夜』 『赤と黒』 "The D…

ボリス・パステルナークの『ドクトル・ジバゴ / Doctor Zhivago』が宝塚にぴったりな理由

[Доктор Живаго] I also think that Russia is destined to become the first realm of socialism since the existence of the world. When that happens, it will stun us for a long time, and, coming to our senses, we will no longer get back the mem…

『不滅の棘』と、永遠の命を描いた海外文学

[Vec Makropulos] すごく今更だが、今年の宝塚初めは『不滅の棘』だった。愛ちゃん(愛月ひかるさん)ポスターが素敵すぎて。綺麗! 綺麗! 指の先までとにかく綺麗!(そして白いファーが似合う) kageki.hankyu.co.jp 春野寿美礼さんが主演をされた初演は…

ある晴れた日に: 『蝶々夫人』観劇

10月7日、二期会の『蝶々夫人』を観劇しました。 開幕間近!東京二期会オペラ劇場『蝶々夫人』―〈日本の美〉を世界の人々に……二期会名作オペラ祭特別料金S10,000円! 夏頃、発売と同時にチケットを購入したので、センターの5列目。 素晴らしい美声を名一杯堪…

ロマノフ家のこと

こんにちは、トーキョーブックガールです。東京公演も観に行く予定の『神々の土地』。楽しみ! 先日蔦屋書店にて中野京子コーナーを覗いていると、こんな印象的な帯が目に飛び込んできた。 弟が姉を、夫が妻を幽閉し、 父が息子を、妻が夫を 殺してきた歴史…

宝塚歌劇団を描いた小説・漫画のレビュー

宝塚が好きで、宝塚がモチーフとなった作品をついつい探して読んでしまいます。 小説 男たちの「宝塚」を描く: 『ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚』 新人公演主役に抜擢された少女と大劇場に住むファントム: 『男役』 残り少ない宝塚人生を生きる娘役と彼女…

『三銃士』 アレクサンドル・デュマ(竹村猛・訳)

[Les Trois Mousquetaires] こんにちは、トーキョーブックガールです。 色々な方の感想をすでにインターネット上で拝見していますが、私はまだ『All for One』を観ていません! 今月末観劇予定なので楽しみ♡ ということで……今月は予習も兼ねて、デュマの『三…

チケットケースを探して: おすすめ紹介

観劇、コンサート、美術館巡りがお好きなみなさま。 チケットケースやチケットホルダーってどう探していらっしゃるのでしょうか。 意外と「チケットケース かわいい」などと検索しても、可愛いものがなかったりする。 私も、お気に入りのものを見つけるまで…

宝塚で舞台化してほしい作品 海外文学編

宝塚では、『風と共に去りぬ』、『スカーレット・ピンパーネル』はもちろん、『かもめ』、『パルムの僧院』、『赤と黒』、『アンナ・カレーニナ』、『二都物語』など、かなり多くの海外文学作品が上演されています。 ですが、海外文学の虫としては、「これも…

『かもめ』 チェーホフ(小田島雄志・訳)

[Чайка] 今日の暑さは暴力的ですね! トーキョーブックガールです。 今週は星組『オーム・シャンティ・オーム』を見に行ったのですが(遠征した)、なんと客席には『阿弖流為』大阪公演を終えた礼真琴さんはじめ阿弖流為メンバーが! 舞台もキラキラ、客席も…

『ラスト・タイクーン』 F・スコット・フィッツジェラルド

[The Last Tycoon] またまたフィッツジェラルドのお話だが、ちょうどスカイステージで'97年花組の『失われた楽園〜ハリウッド・バビロン〜』を見たので、いい機会だと思い『ラスト・タイクーン』について書いてみる。 宝塚の『失われた楽園〜ハリウッド・バ…

『べにはこべ』バロネス・オルツィ

[The Scarlet Pimpernel] 紅はこべ ちょっと前のことになりますが、宝塚歌劇団・星組の『スカーレット・ピンパーネル』を観てきました! 素晴らしかった〜……紅ゆずるさん・綺咲愛里さんのトップスター就任お披露目公演だったのですが、パーシー役の紅さんは…