トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

オスカー・ワイルドの『An Ideal Husband / 理想の結婚 / 理想の夫』と、宝塚歌劇団星組の『ザ・ジェントル・ライアー』

 少し前に発表された宝塚歌劇団・星組の東上公演は、オスカー・ワイルドの戯曲『An Ideal Husband(角川文庫では『理想の結婚』)』をもとにした『ザ・ジェントル・ライアー』。もうそろそろ配役が出る頃ですね。

kageki.hankyu.co.jp

 角川文庫版は絶版になっていたようだけれど、復刊が発表されていてなにより! しかもせおっちの帯付きだそうで、角川さん最高!!! 絶対買う。

 配役が出る前に確認したかったので、初秋に原書を読み、その後図書館で借りた日本語訳を読み返した。

 チルターン邸で開かれたパーティーにロンドンの社交会の華が集まる。その中に新顔があった。しばらくロンドンを離れていたというローラ・チーブリー夫人だ。ローラは、ロバート・チルターン卿に会いにきたのだという。

 実はロバートには、イギリス政府がスエズ運河の株券を買い入れたとき、株式取引書の投機師に内閣の秘密をもらし、その引き換えに得た金で財産を作り上げたという誰にも知られたくない過去があった。そして名士となった今、アルゼンチン運河会社について色々調べているところだ。こちらの運河に関しても、スエズのときと同じような詐欺が行われているということが判明したため、明日の議会ではそれについて告発する報告書を提出する予定にしている。

 ところがローラは、告発をとりやめないとロバートの過去についてばらすと彼をゆするのだった。チルターン卿の妻ガートルードは貞淑を絵に描いたような女性で、当然夫が不正を働いて富を築いたことなど知らない。もしそんなことを知られたら、清廉潔白な妻の心は離れてしまうに違いない。困ったロバートは、友人のアーサー・ゴーリング卿に相談する。

 ローラは、アーサーのかつての思い人だった。今はロバートの妹、メイベルと恋の駆け引きの最中であるアーサーは、友人の秘密を守りつつ、自分の願いを叶えるためローラと取引しようとするのだが……。

 登場人物それぞれに思惑や秘密があり、思わぬ駆け引きに発展するところが読み応え(&見応え)のある戯曲。来年の舞台が楽しみ!

 少々気になるのは、公式のあらすじを読んで多くのヅカオタさんも感じているであろう、『デビュタント』との相似性。正直かなり似ている……と思う。プレイボーイ的な主人公に、ヒロインをぼやかす娘役のさんすくみ状態で、「年上の女性、貞淑な令嬢、活発な元気娘」というところまで同じ。

 『デビュタント』から丸3年が経ち、娘役の顔ぶれは変わったものの(桜庭舞さんも星蘭ひとみさんも退団してしまったし)、状況はほとんど変わっていないという印象を受ける。ポジティブに考えると、多くの娘役さんに見せ場をつくる機会ではある。あとはやはり礼真琴&舞空瞳さんの任期が長いのかなとか、組み替えしてきたばかりの詩ちづるさんの風除けかなとか、色々頭に浮かびますが、いずれにせよ観劇が待ちきれない。

 以下は配役予想です。セリフは角川文庫の厨川圭子さん訳より。

 

アーサー・ゴーリング卿(発表済み:瀬央ゆりあ)

快楽でも追わなかったら、人生なんか生きる価値なしですよ。幸福な人生なんて、すぐ色あせてしまいますからね。

 花の95期! 95期についてよく覚えていることがある。まだまだ下級生だったころ、ことちゃんかちゃぴちゃんがスカステで「95期はみんなすごく仲が良くて、『闘争心が欠けている』とよく先生方から叱られた」、「ライバルだなんて思ったことがない」と話していた。「そんなんじゃ、劇団に入ってもやっていけないよ」というようなことを先生や先輩方に言われたとコメントしていた記憶がある。が、その正反対でしたね。娘役はトップ3人を輩出、男役は現在トップ3人で、2番手&2番目(と書くのが辛いが)が2人、3番手が2人と、後にも先にも例がないようなとんでもない期へと成長を遂げました。

 せおっちは正統派男役の外見に、ユーモラスでアドリブOKな性格のギャップがすてきで、今後順調に2番手or2番目となるのであれば悪役などもこなすでしょうから、こういうプレイボーイな紳士役は見納めになるのかも。

 

ロバート・チルターン卿(予想:綺城ひか理)

金銭(かね)のために身を売ったんじゃない。非常な高値で成功を買ったんだ。

 正直あかさん以外には候補がいないであろう、このお役。長身&美形な2人の並びは新鮮で見応えがありそう!

 

ガートルード(チルターン卿夫人)(予想:小桜ほのか)

私たち女は、愛している時はその人を尊敬しているのです。もしその尊敬を失ってしまったら、私たちは何もかも失ってしまうのです。

 貞淑な妻役はやっぱりほのかちゃんかなあ。ちょっと既視感のある配役になってしまうけれど、あかさん&ほのかちゃんの夫婦デュエットは多くの人の耳を楽しませてくれることでしょう。

 

メイベル(予想:詩ちづる)

「私の勝利」だといいな。私が今ほんとうに興味のあるのは私の勝利だけだわ。

 チルターン嬢。ロバートの妹で、アーサーの現在の恋愛の相手。原作では最後に婚約するので、一番正ヒロインに近い役回りではあるが、舞台でどうなるかは不明。水乃ゆりさんということもあるかな?

 

ローラ・チーブリー夫人(予想:音波みのり)

女の一生で本当の悲劇っていえば、たった一つしかないわ。それは、過去のことをいつも愛人のように思ってなつかしがり、未来のことはいつも夫(ハズバンド)のように思ってあきらめていることよ。

 悪女の役。これも既視感のある配役になってしまうな〜、さすがにないかな。紫りらさんでもいいかもしれない。あと、はるこさんとほのかちゃんは反対でも面白い気がする。

 
 
 
 
 
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