トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2022年 国際ブッカー賞受賞作は『Tomb of Sand』

*2022-05-29: 作者の出身地について、赤字で修正しています。ご指摘いただき、ありがとうございました! 2022年5月26日(英国)、国際ブッカー賞受賞作が発表されました。受賞したのはTomb of Sand(Geetanjali Shree著、Daisy Rockwell訳)! インドの言語…

2022年 国際ブッカー賞ショートリスト

www.tokyobookgirl.com 4月7日、国際ブッカー賞(The International Booker Prize)のショートリストが発表された。ロングリストにノミネートされた13冊のうち、ショートリストに残ったのは6冊。 thebookerprizes.com 今年はアジア圏の作品が5作品もロングリ…

2022年 Women's Prize for Fiction(女性小説賞)ロングリスト

3月は国際ブッカー賞のロングリストのみならず、Women's Prize for Fiction(女性小説賞)のロングリストも発表に。ノミネートされたのは16作品。今年は、積んでいた小説が2作品候補入りしていて嬉しくなりました(読んでなくて積んでるだけだけど……)。 wom…

2022年 国際ブッカー賞ロングリスト

www.tokyobookgirl.com あっという間に3月。国際ブッカー賞のロングリスト(Women's Prize for Fictionも〜)も発表されました。 thebookerprizes.com ロングリスト入りしたのは13冊。今年はアジア圏の小説が5作品とかなり増えているのが特徴的(去年は残雪…

Distancia de rescate / サマンタ・シュウェブリン

我が子が1歳半くらいになったとき、真夜中にふと目が覚めた。すぐにわかった。とうとうやってきたのだ、「あれ」が。ひたひたと全身を満たすように増幅していく恐怖は、どこか懐かしいものでもあった。やがてくると知っていたから。 いわゆる想像力の暴走だ…

『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』ミア・カンキマキ(末延弘子・訳): 推しとの歳の差、1006歳

[Asioita jotka saavat sydämen lyömään nopeammin] どうしたらいいかわからないこと。 三十八歳にもなって実家の二階にある自分の部屋に移ること。 六十三歳になる父に、部屋を引き渡すために七時間かけてすみずみまで一人で掃除をさせること。 しまいには…

The Promise / Damon Galgut: 2021年のブッカー賞受賞作

デイヴィッド・ロッジは『小説の技巧』(柴田元幸・斎藤兆史訳)で、意識の流れについて、こう書いている。 明らかにこの種の小説は、内面がさらされている登場人物に対する読者の共感を喚起しやすい。その意識がいかに虚栄に満ち、利己的で、下劣であったと…

2021年と2022年のReading Challenge(リーディングチャレンジ)

みなさま、明けましておめでとうございます! 今年も素晴らしいreading yearになりますように。 去年のリーディングチャレンジの振り返りと、今年の抱負です。今年の読書初めは『本格小説』(水村美苗)でした。素晴らしすぎてうっかり徹夜してしまい、なん…

白人として生きる黒人女性の話『Passing』(ネラ・ラーセン)

ここ数週間、やたらと出版社さんのSNSでネラ・ラーセンのPassingを見かけるので、???と思っていたら、Netflixで映画化されていたのだった。 www.netflix.com いい機会だから読んでみようと購入した原作も短めだし、映画も1時間半ちょっとと短めなので、さ…

夏〜秋に読んだ世界文学

いつの間にか夏が終わり、9月1日からぐっと冷え込み、秋らしい秋を感じることのできないまま11月がやってきた。 我が家では9〜10月、コロナの影響で保育園休園、夫が不調でMRI(問題なしだった、よかった)、わたしは料理中に「彼女の体とその断片……薬指の標…

オスカー・ワイルドの『An Ideal Husband / 理想の結婚 / 理想の夫』と、宝塚歌劇団星組の『ザ・ジェントル・ライアー』

少し前に発表された宝塚歌劇団・星組の東上公演は、オスカー・ワイルドの戯曲『An Ideal Husband(角川文庫では『理想の結婚』)』をもとにした『ザ・ジェントル・ライアー』。もうそろそろ配役が出る頃ですね。 kageki.hankyu.co.jp 角川文庫版は絶版になっ…

2021年ブッカー賞受賞作はDamon Galgutの『The Promise』

あっというまに11月になっていまいましたね。ついにブッカー賞受賞作が発表に。 The Promise / Damon Galgut(南アフリカ) The Promise (English Edition) 作者:Galgut, Damon Vintage Digital Amazon ブッカー賞ノミネートは3回目のDamon Galgut。 本作は…

Girlsplaining: A (Sorta) Memoir / Katja Klengel(Nika Knight訳)

[Girlsplaining] どっぷりとはまってしまった自伝的グラフィックノベル。著者はドイツの方で、わたしが読んだのは英訳(原書は2018年、翻訳は2021年出版)。 Girlsplaining (English Edition) アーティスト:Klengel, Katja 作者:Klengel, Katja BOOM! - Arch…

2021年 ブッカー賞ショートリスト

www.tokyobookgirl.com 9月14日(英国)、2021年のブッカー賞ショートリスト(6冊)が発表された。 ロングリスト(13冊)はこちらから。 www.tokyobookgirl.com A Passage North / Anuk Arudpragasam(スリランカ) The Promise / Damon Galgut(南アフリカ…