トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴォルテールの『カンディード』とSATC

大学を卒業してもうすぐ10年である。社会で働き始めてもうすぐ10年、でもある。 「もっと真面目に勉強しておけばよかったなあ」と思うことはないのだが、「今だったら、あの授業をもっと楽しんで受けられたなあ」と感じることは本当によくある。 秋の夜長は…

2017年 ブッカー賞ショートリスト

こんにちは。トーキョーブックガールです。9月17日にマン・ブッカー賞のショートリストが発表されていました。 The Man Booker Prize 2017 | The Man Booker Prizes 今年残った6冊はこちら! 4 3 2 1, ポール・オースター History of Wolves, Emily Fridlund…

『三銃士』 アレクサンドル・デュマ(竹村猛・訳)

[Les Trois Mousquetaires] こんにちは、トーキョーブックガールです。 色々な方の感想をすでにインターネット上で拝見していますが、私はまだ『All for One』を観ていません! 今月末観劇予定なので楽しみ♡ ということで……今月は予習も兼ねて、デュマの『三…

Rosaura a las diez / Marco Denevi: 10時のロサウラ

先日もちらっと書いた Rosaura a Las Diez*1。「10時のロサウラ」。1955年に出版された、Marco Denevi(マルコ・デネヴィ)のデビュー作。 舞台やドラマ、映画化もされた大ヒット作である。 かなり昔の作品だが、日本のAmazonでもペーパーバックを良心的な価…

秋に読む海外文学 25冊

こんにちは、トーキョーブックガールです。 だんだんと涼しくなり、秋の気配を感じますね。 読書の秋ということで、秋の夜長に読みたい海外文学をリストアップしてみました。 タイトルに「秋」が入る3冊 『族長の秋』ガブリエル・ガルシア=マルケス(鼓直訳…

『おやすみ、リリー』 スティーヴン・ローリー

[Lily and the Octopus] こんにちは、トーキョーブックガールです。ずいぶん涼しくなってきましたね! さて、今日はジャケ買いしてしまったこの本の感想を。 おやすみ、リリー 作者: スティーヴン・ローリー,越前敏弥 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ …

『ベラミ』 モーパッサン: 史上最強の色男

[Bel Ami] 100スーの銀貨を出した釣りを勘定台の女から受け取ると、ジョルジュ・デュロワはレストランの外へ出た。 押出の立派なこの男は、生まれつきと退役下士官のくせでぐっとそり身になったかと思うと、慣れた軍人式の手つきで口髭をひねり、それからま…

Hag-Seed / マーガレット・アトウッド: 現代におけるシェイクスピア

*日本語訳が出版されています。 『獄中シェイクスピア劇団(語りなおしシェイクスピア1 テンペスト)』鴻巣友季子訳 語りなおしシェイクスピア 1 テンペスト 獄中シェイクスピア劇団 (語りなおしシェイクスピア テンペスト) 作者:マーガレット・アトウッド,…