トーキョーブックガール

海外文学・世界文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

セルバンテス賞

『20世紀ラテンアメリカ短篇選』 野谷文昭 編訳

楽しみに待っていた岩波文庫の『20世紀ラテンアメリカ短篇選』。表紙からしてディエゴ・リベラで、気持ちが高まる。 20世紀ラテンアメリカ短篇選 (岩波文庫 赤 793-1) 作者: 野谷文昭 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/03/16 メディア: 文庫 この商品…

『夢の本』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス

[Libro de sueños] ボルヘスの『夢の本』が河出文庫化されたので(単行本は国書刊行会から出ていて、翻訳者は同じく堀内研二さん)、早速購入した。 おそらく日本語で読むのは初めて。 夢の本 (河出文庫) 作者: ホルヘ・ルイス・ボルヘス,堀内研二 出版社/メ…

『ラ・カテドラルでの対話』マリオ・バルガス=リョサ: 実験的な長編小説

[Conversación en La Catedral] 「ラテンアメリカの文学」シリーズで1984年に出版されていたリョサの『ラ・カテドラルでの対話』。2018年にめでたく岩波文庫から新訳が登場した。ということで、年末年始はこの一冊と濃密な時間を過ごすことができて満足して…

『ボルヘス怪奇譚集』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス / アドルフォ・ビオイ=カサーレス

[Cuentos Breves y Extraordinarios] あらゆる人食い鬼がセイロンに棲み、彼らの存在すべてがただ一個のレモンのなかにはいっていることは、よく知られている。盲人がそのレモンを切り刻むと、人食い鬼は残らず死ぬ。 ー『インドの好古家』第1巻(1872)より…

『語るボルヘス』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス

[Borges, Oral] 『ボルヘス、オラル』が昨年岩波で文庫化されていた。 1978年の5月から6月にかけて、ブエノスアイレスのベルグラーノ大学(Universidad de Belgrano)にて行われた5回にわたる講演記録である。 語るボルヘス――書物・不死性・時間ほか (岩波文…

『継母礼賛』 マリオ・バルガス=リョサ

[Elogio de la Madrastra] マリオ・バルガス=リョサの作品は大きく2つに分けられる。私は心の中でこっそり「社会派リョサ」、「エロリョサ」と呼び分けている。 社会派リョサは『都会と犬ども』、『緑の家』、『密林の語り部』などノーベル文学賞が「権力構…

『エレンディラ』 ガブリエル・ガルシア=マルケス

[Eréndira] 私にとって初めてのガルシア=マルケスは『百年の孤独』で、その一冊で「ガルシア=マルケスの沼」に真っ逆さまに落ちていってしまったのだけれど、もしこれからガルシア=マルケスを読む友人がいるとすれば『エレンディラ』を最初に読むように薦…

『アウラ・純な魂』 カルロス・フエンテス

[Aura y otros cuentos] 「これ、知っている」というのが、フエンテスを初めて読んだ時の感想だった*1。 フエンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇 (岩波文庫) 作者: カルロスフエンテス,木村榮一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1995/07/17 メディア: 文…

『プラテーロとわたし』 フアン・ラモン・ヒメネス

[Platero y Yo] 今年はあまり新しい本は買わず持っている本を読み返すことにしている。 最近読み返したのは、こちらの一冊。ノーベル文学賞を受賞した詩人、フアン・ラモン・ヒメネスの『プラテーロとわたし』。 プラテーロとわたし (岩波文庫) 作者: J.R.ヒ…