全然ブログ投稿できないまま2019年が終わってしまったので、簡単にまとめ。
- 2019年 Women's Prize for Fiction
- 2019年 ピューリッツァー賞
- 2019年 ブッカー賞
- 2019年 ギラー賞
- 2019年 全米図書賞(National Book Awards)
2019年 Women's Prize for Fiction
An American Marriage / Tayari Jones
An American Marriage: WINNER OF THE WOMEN'S PRIZE FOR FICTION, 2019
- 作者:Tayari Jones
- 出版社/メーカー: Oneworld Publications
- 発売日: 2019/03/07
- メディア: ペーパーバック
Women's Prize for Fictionはアメリカ人作家によるこちらの作品に。
2019年 ピューリッツァー賞
『オーバーストーリー』/ リチャード・パワーズ
2018年はアンドリュー・ショーン・グリアのLESSが受賞し、コメディ要素を多分に含んだ作品ということで意外性があったピューリッツァー賞。
2019年はリチャード・パワーズのThe Overstoryでした。
まだ積んでいるのに、日本語訳も出版済み!
2019年 ブッカー賞
2019年のブッカー賞は異例のダブル受賞。
The Testaments / マーガレット・アトウッド
The Testaments: WINNER OF THE BOOKER PRIZE 2019
- 作者:Margaret Atwood
- 出版社/メーカー: Chatto & Windus
- 発売日: 2019/09/10
- メディア: ハードカバー
『侍女の物語』の舞台となったギレアドに暮らす3人の女性の"testaments"(遺書/証拠)、と説明された本書。
アトウッド自身が『侍女の物語』のドラマ化を受け、1985年に出版された小説のテーマを再考し、現代に警鐘を鳴らしたいと考えたのではないかと感じられる本作。
アトウッドがブッカー賞を受賞するのは『The Blind Assassin / 昏き目の暗殺者』に次いで2回目、ノミネートのみなら6回目ということで、20世紀、21世紀を代表する作家であることは間違いない。
Girl, Woman, Other / Bernardine Evaristo(バーナーディン・エヴァリスト)
Girl, Woman, Other: A Novel (Booker Prize Winner)
- 作者:Bernardine Evaristo
- 出版社/メーカー: Grove Press
- 発売日: 2019/12/03
- メディア: ハードカバー
オバマ前大統領が年末に発表したFavorite Books of 2019にも含まれていた作品(Summer Reading Listには含まれていなかったブッカー賞ノミネート作品や全米図書賞ノミネート作品もしっかり入っていて、忙しいだろうに本当にwell-readな方だなあとただただ尊敬です)。
As we wind down 2019, I wanted to share with you my annual list of favorites that made the last year a little brighter. We’ll start with books today — movies and music coming soon. I hope you enjoy these as much as I did. pic.twitter.com/l5qTGkAPok
— Barack Obama (@BarackObama) 2019年12月28日
黒人女性を中心にしたイギリス在住の12人の人生を、時間軸を超えて描いている。
2019年 ギラー賞
カナダのブッカー賞ともいえるギラー賞。
面白い作品が多いのと、ブッカー賞に比べると若々しくアバンギャルドな雰囲気があるのとで、個人的に注目している賞。
受賞したのはこちら。
Reproduction / Ian Williams(イアン・ウィリアムズ)
バンクーバー在住の詩人(兼大学教授)による、ラブストーリー。
フェリシアとエドガーは病院で出会う。
それぞれの母親が同じ病室に入院していたからだ。
フェリシアの母親が亡くなったあと、フェリシアは高校を中退してエドガーの母親の介護をかってでる。
フェリシアとエドガーはお互いを理解できないと反発しあいながらも子供をもうけるのだが……。
ドイツ系の家族に生まれたエドガー、フェリシアがのちに出会うポルトガル系の男性など、様々なバックグラウンドを持つ人を登場させ、家族の意味を問う「ゼイディー・スミス的」でありながらユニークな作品。
2019年 全米図書賞(National Book Awards)
フォローできていないまま、あっという間に発表されていました。
フィクション部門:Trust Exercise / Susan Choi(スーザン・チョイ)
貧しい母子家庭に育ったサラ、裕福な生い立ちのデイヴィッド。
社会経済的に異なるバックグラウンドを持つ二人の出会いと別れを描いた作品。
その他のノミネート作品
個人的に楽しみにしていた(そして積んでいる……)マーロン・ジェイムズのBlack Leopard, Red WolfやOcean VuongのOn Earth We're Briefly Gorgeousもノミネートされていた。
この辺りは追って感想を書きたい。
Black Leopard, Red Wolf: Dark Star Trilogy Book 1
- 作者:Marlon James
- 出版社/メーカー: Hamish Hamilton
- 発売日: 2019/02/28
- メディア: ハードカバー
ノンフィクション部門:The Yellow House / Sarah M. Broom
The Yellow House: A Memoir (2019 National Book Award Winner)
- 作者:Sarah M. Broom
- 出版社/メーカー: Grove Press
- 発売日: 2020/06/23
- メディア: ペーパーバック
著者サラ・M・ブルームの母親、アイボリー・メイはニューオリンズに家を購入する。
やもめとなったアイボリー・メイはサイモン・ブルーム(著者の父親)と出会い、12人の子供に恵まれ、再びやもめとなって……。
The Yellow Houseと名付けられた家を通して、家屋の一様化やニューオリンズの歴史を描き出す作品。
詩部門:Sight Lines / Arthur Sze
翻訳文学部門:Baron Wenckheim's Homecoming / クラスナホルカイ・ラースロー(著者)・Ottilie Mulzet(翻訳者)
ハンガリーの作家、クラスナホルカイ・ラースロー(日本と同じ姓名順の表記)による作品の英語訳が受賞。
ショートリストには小川洋子の『密やかな結晶』の英語訳(翻訳者はStephen Snyder)も含まれていた。
児童文学部門:1919 The Year That Changed America / Martin W. Sandler
1919 the Year That Changed America
- 作者:Martin W. Sandler
- 出版社/メーカー: Bloomsbury Childrens Books
- 発売日: 2019/01/08
- メディア: ハードカバー
第一次世界大戦後のアメリカを描いたノンフィクション。
もう気持ちは浮き足立って、2020年の読みたい新刊リストも作っているところだけれど、2019年に購入して積んでいるあれやこれやも早く読みたいし、1日が24時間ではとても足りない……。
いやいや、時間は作るもの。今年も充実した一年にしましょう。
みなさま、happy reading!