トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

夏に何を読む? 2018年サマー・リーディング・リスト色々

 Twitterを眺めていると、そろそろ各誌や著名人の2018年Beach Readsやサマー・リーディング・リストが出揃いつつあるようなので、まとめてみた。

 皆様、夏休みの計画はもう立てていますか? 旅行に行く方も、おうちで過ごす方も、リラックス時間のお供にどうぞ。

 

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メディア(2018年出版の新刊)

 毎年、新聞や雑誌、各種文芸関連のメディアはPRも兼ねてその年に出版される新作をリストにして紹介している。

The New York Times

www.nytimes.com

 ニューヨーク・タイムズはスリラー、クッキング、クライム、映画&TV、ロマンス、旅行、音楽、アウトドア、スポーツと9つのジャンルで73冊を選定。

 クッキングでは、カナダ出身ヴィーガン・ユーチューバーのローレン・トヨタによるHot for Food Vegan Comfort Classicsも! 読んでいるだけでお腹が空いてしまいそう。

Hot for Food Vegan Comfort Classics: 101 Recipes to Feed Your Face

Hot for Food Vegan Comfort Classics: 101 Recipes to Feed Your Face

 

 

TIME

time.com

 タイムは"Fiction to fuel your book club(ブッククラブを盛り上げるフィクション)"、 "Satisfying short stories(読み応えのある短編集)"、"Mind-expanding history(視野が広がる歴史)"、"Conversation-starting nonfiction(誰かに話したくなるノンフィクション)"という4つのエリアで22冊を紹介。

 フィクションではガエル・ファイユによる『ちいさな国で(Small Country)』が選出されている。日本語訳は去年発売済み!

ちいさな国で

ちいさな国で

 

 

Bloomberg

www.bloomberg.com

ヘッジファンド・リーディング・リスト」など、ユニークな視点でリストを紹介してくれるブルームバーグ。上記はIT業界の皆様も必見のリスト。

 以下はセラノスの詐欺事件から問題になったシリコンバレーのスタートアップ企業や「はったり文化」について、ジョン・カレイルーが書いたノンフィクション。

Bad Blood: Secrets and Lies in a Silicon Valley Startup

Bad Blood: Secrets and Lies in a Silicon Valley Startup

 

 

Literary Hub

lithub.com

 フィクション28冊を紹介。ライターの方が、何十ものサマー・リーディング・リストを確認し、その中で2回以上名が挙がっていた小説だけを集めたという。面白いこと間違いなしの本ばかりなのが嬉しい! クロエ・ベンジャミンのThe Immortalistsも名を連ねている。

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著名人

バラク・オバマ元大統領

thehill.com

 2009年から自身のサマー・リーディング・リストを公開しているオバマ元大統領(「ほとんど本を読まない」と揶揄されたこともある現大統領とは裏腹に……)。

 2018年版のリストも先週土曜にFacebook上で公開された。

 今年選んだ本は全てノンフィクションで、「通常のサマー・リーディング・リストよりは若干重め」。たとえば1冊目に挙げられているのはアレックス・ワグナーによるFutureface: A Family Mystery, an Epic Quest, and the Secret to Belongingで、「ミャンマー人の母とアイオワ出身でカトリックのアイルランド系の父を持つ著者が自身のアイデンティティをどのように発見したのか、非常に興味がある」とコメントを寄せている。

Futureface: A Family Mystery, an Epic Quest, and the Secret to Belonging

Futureface: A Family Mystery, an Epic Quest, and the Secret to Belonging

 

 ちなみに「2017年に読んで面白かった本」にはExit Westがランクインしていた。

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ビル・ゲイツ

youtu.be

読書量と年収は正比例する」というのはよく聞く話だが、ビル・ゲイツも非常にwell-readな著名人の1人で、毎年5冊をサマーリーディング用におすすめしてくれる。彼が選ぶ今夏のリーディングリストがこちら

 ちなみに、上記YouTubeは登場する子犬さんたちも可愛すぎる〜♡ 必見です!!

 自身が読みたい本を公開しているオバマとは違い、ゲイツはすでに読んだ本の中から「2018年の夏におすすめ」の本を教えてくれるというスタンス。 

 フィクションでは2017年にブッカー賞を受賞したLincoln in the Bardoをチョイス。「エイブラハム・リンカーンについては何もかも知っていると考えていたが、この小説を読んで彼の人生のいろいろな面について再考させられた。南北戦争にまつわる歴史的事実と幻想的な要素が混ぜ合わさっている……魅力的でいくつもの意味を持っている小説なので、読み終わったら友人と話し合いたくなるはず」。

Lincoln in the Bardo: A Novel

Lincoln in the Bardo: A Novel

 

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あの作家が読んでいる本は?

www.washingtonpost.com

 ワシントン・ポストでは作家がこの夏読みたい本を紹介。

 The Female Pursuasionの著者メグ・ウリッツァーはFloridaThere Thereなど最新作もチェックしつつ、ル・グィンの『闇の左手』も挙げている。

闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

 

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 The Great Aloneの著者クリスティン・ハナはEmily RuskovichのIdahoやルイス・アルベルト・ウレアのThe House of Broken Angles。

The House of Broken Angels (English Edition)

The House of Broken Angels (English Edition)

 

 

 Little Fires Everywhereの著者セレステ・イングはローラ・ヴァン・デン・バーグの新作The Third Hotel。

The Third Hotel: A Novel

The Third Hotel: A Novel

 

 

トーキョーブックガールのサマー・リーディング・リスト

『失われた時を求めて』

 何度もしつこいと言われそうですが、夏は毎年『失われた時を求めて』を読み返す&読み進めることができる貴重な時間。先月から少しずつ読み進めています。

 今年はブログにも感想を書き残しておきたい。 

失われた時を求めて(8)――ソドムとゴモラI (岩波文庫)

失われた時を求めて(8)――ソドムとゴモラI (岩波文庫)

 

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夏に読みたい海外文学

 以前作った、夏に読みたい本リストはこちら。

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様々なリーディングリストに紹介されていて気になっている新作

Florida

Florida

 

運命と復讐』を書いた作家ローレン・グロフの最新短編集Florida。 フロリダを舞台にした話が中心の短編集。

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CIRCE (#1 New York Times bestseller) (English Edition)

CIRCE (#1 New York Times bestseller) (English Edition)

 

 コルタサルの短編「キルケ」が面白かったので、興味を持った小説CIRCE。コルタサルはキルケに見立てた女の子の話だったけれど、こちらはギリシャ神話に出てくる女神、オデュッセウスを誘惑したことで知られているキルケの生い立ちを描いている。オーディオブック(Audible)で聴き始めたところ。 

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My Year of Rest and Relaxation

My Year of Rest and Relaxation

 

 これも気になります。オテッサ・モシュフェグの新作。時は2000年。主人公は若くてスリムで可愛い、コロンビア大卒の女の子。高級住宅地として有名なアッパー・イースト・サイドに住んでいて、アートギャラリーで働いている。両親は亡くなったけれど莫大な遺産を残してくれたし、彼氏はウォール・ストリートで働くエリート。それなのに憂鬱な気分から抜け出せない……。そんな彼女が心の平安を探し求める物語らしい。あらすじを読んでいると、Molly Jong-FastのNormal Girlを思い出す。

 

 みなさまは何を読む予定ですか? 素敵な本との出会いがたくさんありますように。今夏もhappy reading!

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