トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2020年と2021年のリーディングチャレンジ

待ちに待ったお休みがやってきた! 思いっきり読んで、思いっきりブログも書くぞ! 2020年中に読み終えたい本が5冊はある。どこまで読めるかな。 本当にあっという間に12月がやってきてしまった。2020年、体感5分だった。 寝る間も惜しんで仕事と家事と育児…

『ピガール狂騒曲』から始まるブックリスト

[Frenesie a Pigalle] 新しいものは、いつだって月組からやってくる。 宝塚を観劇していると何度もそう思う。元男役だったちゃぴちゃん(愛希れいか)がトップ娘役になってガンガン踊り、「(トップ娘じゃなくて)トップスター」と呼ばれるようになったり、…

2020年のWomen's Prize、ピューリッツァー賞、ギラー賞、全米図書賞

ひゃ〜、去年と同じことになっちゃった。全然書けなかったので、今年もまとめて、わたしが普段注目している英語文学関係の文学賞をふりかえります。 今年は全然休まずしゃかりき仕事して勉強して育児してきたので、12月は15日くらいから休んでやる!と思って…

Conversations with Friends / サリー・ルーニー: 現代の『夜はやさし』

(カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ) 当ブログでも、キーワード検索される方が一際多いアイルランドの新星、サリー・ルーニー。2017年には、カズオ・イシグロが「色々な人から、素晴らしい作家が現れたと聞いたから。本当にそうなのか、読んで確かめて…

2020年 ブッカー賞受賞作はShuggie Bain / 1作目の長編小説がブッカー賞を受賞した作家たち

2020年ブッカー賞受賞作 待ちに待った11月19日(英国)、2020年のブッカー賞受賞作が発表された。それがこちら、Shuggie Bain。スコットランド出身のDouglas Stuart(ダグラス・スチュアート)によるデビュー作。 Shuggie Bain: A Novel 作者:Stuart, Dougla…

2020年 ブッカー賞ショートリスト

*2020年ブッカー賞受賞作はこちら。 www.tokyobookgirl.com 遅れてしまったけれど、9月15日に発表されたブッカー賞のショートリストのまとめを。時が飛ぶように過ぎ去り、ロングリストをろくにチェックする時間もないまま、9月が半分過ぎてしまいました。 今…

2020年 国際ブッカー賞受賞作はThe Discomfort of Evening

更新が滞ってしまいました。みなさまはお元気ですか? わたしはとっても元気! 今年は仕事と育児に加えて、勉強も(コロナの影響で仕事に余裕が出るんじゃないかと踏んでいた……勘違いだった)と、頭と体をフル回転させています。なかなかブログ(やInstagram…

ギラー賞 歴代の受賞作品

もともと別の記事にくっつけていたのですが、自分が探しにくかったので、こちらに。歴代の受賞作品は以下のとおり。意外と日本語に訳されていない。 歴代の受賞作品(1994年〜2019年) 2021年: What Strange Paradise / オマル・エル=アッカド 2020年: How …

『フィフティ・ピープル』 チョン・セラン(斉藤真理子・訳): とにかく面白くて!

[피프티 피플] もう本当に面白くて面白くて! どのくらい面白かったかというと、読み終わったあとすぐにチョン・セランの日本語訳が出ている作品すべて購入して、かたっぱしから読んでしまったくらい。 フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり1) 作者…

トーキョーブックガールの読みたいリスト 2020年の新刊

1年のはじめ、1月に更新しようと思っていた読みたい「今年の新刊」リスト(世界文学・翻訳文学)。今年はこんなに遅くなってしまったけれど、better late than neverだと思って投稿してみる。 去年のものは、こちら。 www.tokyobookgirl.com 別のジャンルの…

Girl, Woman, Other / バーナーディン・エヴァリスト: 2019年を代表する1冊

最初の数ページを読んだだけで、はっと驚き、早くもこの小説のとりこになる。 Amma is walking along the promenade of the waterway that bisects her city, a few early morning barges cruise slowly by to her left is the nautical-themed footbridge w…

My Friend Anna / Rachel DeLoache Williams: アンナ・デルヴィー、「ソーホーのペテン師」と嘘まみれの人生

(『令嬢アンナの真実』原作) ノンフィクションなのだけれど、いろいろな小説を思い起こさせる1冊だったのでブログに投稿しておく。 2017年に逮捕され、2019年に裁判が行われた、「ソーホーのペテン師」アンナ・ソロキン(アンナ・デルヴィー)について書か…

『俺の歯の話』 バレリア・ルイセリ(松本健二・訳): おはなし なあに?

[The Story of My Teeth / La Historia de Mis Dientes] てっきり最初に英語が出版されたのだと思っていた、『俺の歯の話』。スペイン語だった。 作者のバレリア・ルイセリはメキシコ人だが父の仕事(NGOに勤務したのち外交官になる)の影響で、米国、コスタ…

Weather / ジェニー・オフィル: Twitterのような

2019年の驚きといえば、「友人(それも複数名)がマッチングアプリで出会った人と結婚した」ことだろう。 マッチングアプリ!!! 未知の世界すぎて、結婚に至るまでの道のりを根掘り葉掘り聞いてしまった。友人いわく、「今や出会いを求めている人はマッチ…