2018年出版
[The House on Mango Street] 白水社の新書として今年生まれ変わった『マンゴー通り、ときどきさよなら』。やっと読めた。 マンゴー通り、ときどきさよなら (白水Uブックス) 作者: サンドラ・シスネロス,くぼたのぞみ 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2018/…
(女の子は明るく燃える) 7歳の時インドからアメリカに移住したという新人作家Shobha Rao初の長編小説。タイトルに惹かれて購入。 Girls Burn Brighter 作者: Shobha Rao 出版社/メーカー: Flatiron Books 発売日: 2019/03/05 メディア: ペーパーバック こ…
[傾城之恋] ・張愛玲の『色、戒』*1が好き。 ・映画化された『ラスト、コーション』や香港映画『花様年華』にはまった。 ・『高慢と偏見』や『細雪』など、お見合い・結婚についてのドタバタ劇が好き。 ・『風と共に去りぬ』のスカーレットとレッド・バトラ…
[El Obsceno Pájaro de la Noche] 月夜になると、恐ろしい首が小麦色の長いながい髭をなびかせながら空を飛ぶ。その顔は主人の娘の美しい顔にそっくりで……不吉な鳥チョンチョンの身の毛もよだつトゥエ、トゥエ、トゥエという声をまねて歌うのだという。魔法…
イギリスの10月16日に発表になった2018年のマン・ブッカー賞。受賞したのはアンナ・バーンズのMilkmanだった。北アイルランド出身の作家がブッカー賞を受賞するのは初めてとのこと! ちなみに女性作家が受賞するのは2013年のエレノア・カットン以来5年ぶり。…
芸術の秋、食欲の秋ももちろんだけど、やっぱり読書の秋ですね。皆様は何を読んでいますかOR読む予定ですか? 秋の新刊について色々と見ていたら、どんどん読みたい新作が増えていってしまう……私のTBRリスト(主にフィクション)を簡単にまとめてみた。 The …
(戦下の淡き光) *日本語訳が2019年に発売に。 戦下の淡き光 作者:マイケル・オンダーチェ 発売日: 2019/09/13 メディア: 単行本 5月に発売された、オンダーチェの最新作。即購入し読み始めて、そうこうしている間にブッカー賞ロングリストにノミネートされ…
10月1日にカナダ・ギラー賞のショートリストが発表になっていたので、今日はこちらを。 HOME - Scotiabank Giller Prize アメリカとカナダの国境沿いをドライブしていると、発見がいろいろある。風景は全く変わらないのに、国をまたいだ途端にフランチャイズ…
(ワシントン・ブラック) *日本語訳が出版されたので、作者名を更新しました。 ワシントン・ブラック 作者:エシ・エデュジアン 発売日: 2020/09/25 メディア: 単行本 2018年ブッカー賞のショートリストに残ったWashington Black。一言で言うと、「楽しい時…
[Las cosas que perdimos en el fuego] 優れた作品、英語訳も売れに売れていると評判を聞いていて、スペイン語で読もうか英語で読もうか迷っていたら、なんと本屋さんで日本語訳を発見した! どこに行っても海外文学のコーナーで平積みになっているから、注…
あっというまに9月20日。今年のブッカー賞ショートリストの発表の日がやってきました! 7月に発表されたロングリストはこちらの通り。 www.tokyobookgirl.com 今年もFacebookのライブストリームで、ショートリストへ進んだ本が発表に。 www.facebook.com シ…
(ミルクマン) [Updated: 2020-12-09] 日本語訳が発売されています! 翻訳は栩木玲子さん。ジョイス・キャロル・オーツやトマス・ピンチョンを訳されている翻訳家さんです。 ミルクマン 作者:バーンズ,アンナ 発売日: 2020/12/01 メディア: 単行本 今年のブ…
(サブリナ) ブッカー賞ロングリスト入りして、「おっ!」と思ったのはこの作品。グラフィックノベルがブッカー賞にノミネートされる日が来るなんて、誰が想像しただろうか。 Sabrina 作者: Nick Drnaso 出版社/メーカー: Drawn & Quarterly Pubns 発売日: …
2018年のブッカー賞ロングリストにはディストピア小説が複数ノミネートされていて、興味を持ったのがこちら。ジャンルでいうとフェミニスト・ディストピアで、『侍女の物語』やHot Milkのファンには特におすすめという書評をいくつも見かけた。 The Water Cu…
[Cuentos Breves y Extraordinarios] あらゆる人食い鬼がセイロンに棲み、彼らの存在すべてがただ一個のレモンのなかにはいっていることは、よく知られている。盲人がそのレモンを切り刻むと、人食い鬼は残らず死ぬ。 ー『インドの好古家』第1巻(1872)より…
(アップデート:2018-10-17) www.tokyobookgirl.com www.tokyobookgirl.com 2018年のブッカー賞ロングリストが発表された(7月23日)。 今年は、イギリス人作家5冊、アイルランド人作家3冊、カナダ人作家2冊、アメリカ人作家3冊と結構バランスが取れている…
(キルケ) *日本語訳が出版に。 キルケ 作者:マデリン・ミラー 発売日: 2021/04/30 メディア: 単行本 When I was born, the name for what I was did not exist. They called me nymph, assuming I would be like my mother and aunts and thousand cousins…
もうすぐ今年のブッカー賞ロングリストの発表、ということで、候補になりそうな作品をなんとなく読んでいる今日この頃。 まずはこちら。ジュリアン・バーンズの待望の新作。王道のラブストーリーである。 The Only Story 作者: Julian Barnes 出版社/メーカ…
[Nutshell] 『波 6月号』の小山田浩子さんによる書評がとても面白かったので、発売日に購入したマキューアンの最新作。ようやく読む時間がとれた。 憂鬱な10か月 (新潮クレスト・ブックス) 作者: イアンマキューアン,Ian McEwan,村松潔 出版社/メーカー: 新…
Twitterを眺めていると、そろそろ各誌や著名人の2018年Beach Readsやサマー・リーディング・リストが出揃いつつあるようなので、まとめてみた。 皆様、夏休みの計画はもう立てていますか? 旅行に行く方も、おうちで過ごす方も、リラックス時間のお供にどう…
(レス) ヴィエト・タン・ウェンに続き、ピューリッツァー賞関連をもう一つ。アンドリュー・ショーン・グリアによるLessを読んだ。2018年のピューリッツァー賞フィクション部門受賞作。 The Pulitzer Prizes アンドリュー・ショーン・グリアは初めて読む作…
[Bestiario] 大阪で大きい地震がありました。本ブログは基本的に自動更新なので反応が遅く恐縮ですが、関西の皆様ご無事でしたでしょうか。雨が続き心も晴れないですね……安全第一、気をつけてお過ごし下さい。 今日は、大好きなコルタサルの新刊が光文社文庫…
(不滅の子どもたち) [Updated: 2021-03-29] 日本語訳が出版されるようです。 不滅の子どもたち 作者:クロエ・ベンジャミン,鈴木 潤 発売日: 2021/04/26 メディア: 単行本 装丁が素敵。 ハードカバー発売当初に購入したのだが、しっとりとしてマットな質感…
[The Hate U Give] メンバーの投票で決定した2018年5-6月のOur Shared Shelf(エマ・ワトソン主催のブッククラブ)お題本は2冊あるのだけれど、1冊目は『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ』というYA小説! そろそろ読み始めようかなと思った頃、偶然書店で日本語訳を…
[Donna di Porto Pim] 真夏日が続いている。 こんなに暑くなると、なんだかタブッキが読みたくなりますねえ。 イタリアの作家と言えばタブッキとカルヴィーノが頭に浮かぶのだけれど、タブッキは夏、カルヴィーノは冬を連想させる作家(個人的に)なのが面白…
[El Llano en Llamas] とても久しぶりに『燃える平原』を再読した。日本語で読むのは初めて。 絶版になっている水声社の単行本を買おうかなどうしようかな、と考えていた時に岩波文庫として出版されるというニュースを聞いたので5月まで楽しみに待っていたの…
イギリスの5月22日、日本時間の昨夜発表になったブッカー国際賞。 受賞したのはオルガ・トカルチュクの『逃亡派』。翻訳者はジェニファー・クロフト(Jennifer Croft)。ポーランド人作家として初めての受賞となる。 ノミネート作品の中では唯一邦訳が出版済…
先日久しぶりに神保町パトロールをして、仕上げの三省堂で見つけたPenguin Booksの新シリーズ(2018年発売)。 文庫サイズの可愛いPenguin Modernです。薄い青緑のカバーも美しくて思わずジャケ買い。シールもしくはブックマークのおまけつき。 三省堂には10…
発売日: 2018年1月16日(レニ・ズーマス) アメリカ・オレゴン州を舞台としたフェミニスト・ディストピア小説である。本小説におけるアメリカでは、"Personhood Amendment"が施行されている。これはいわゆる「中絶禁止法」で、受精卵にも生きる権利があると…
(アップデート 2018-05-23) 2018年ブッカー国際賞はオルガ・トカルチュクの『逃亡派』に決定。 www.tokyobookgirl.com 2018年ブッカー国際賞のショートリストが昨日発表されましたね*1。 2005年に創設された国際賞。当初は隔年選出だったものの、2016年か…