芸術の秋、食欲の秋ももちろんだけど、やっぱり読書の秋ですね。皆様は何を読んでいますかOR読む予定ですか?
秋の新刊について色々と見ていたら、どんどん読みたい新作が増えていってしまう……私のTBRリスト(主にフィクション)を簡単にまとめてみた。
The Guardian
The Guardianでは、今秋に発売される本50冊が紹介されている。『騎士団長殺し』の英訳がついに10月発売されたので、記事のトップ画像は村上春樹。
The 50 biggest books of autumn 2018 | Books | The Guardian
Transcription / ケイト・アトキンソン
まずはこちら、ケイト・アトキンソンの新作。1940年、18歳のジュリエット・アームストロングはスパイ活動に巻き込まれる。イギリスのファシスト主義者の動向を追うMI5に送られ、恐ろしい仕事の数々をこなすが、終戦後はこういった過去を忘れ去り生きてきた。しかし10年後、BBCのラジオプロデューサーとなったジュリエットの前に過去の亡霊が現れる……。
Bridge of Clay / マークース・ズーサック
Bridge of Clay (Signed Edition)
- 作者: Markus Zusak
- 出版社/メーカー: Knopf Books for Young Readers
- 発売日: 2018/10/09
- メディア: ハードカバー
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これはオーストラリア人YA作家による作品。父の帰還を待ちながら、子供だけで暮らしてきた5人兄弟が、大人になって父の秘密を知るという物語。
ジョン・アーヴィング好きにはおすすめということで見逃せないのと、オーストラリアのYAはかなり好みのものが多いので注目している(『アリブランディを探して』とか、『わが青春の輝き』とか)。
ELLE
ELLEは女性向け雑誌なので、女性作家の作品が多めの28冊をセレクト。エシー・エドゥージャンによるWashington Blackも名を連ねている。
28 Best Fall Books of 2018 - Top New Reads for This Autumn
She Would Be King / Wayétu Moore
著者のデビュー作。マジック・リアリズムと歴史を織り交ぜて描いた物語で、3人の登場人物の目を通して見た西アフリカ・リベリアが舞台だそう。
Things to Make and Break / May-Lan Tan
カルメン・マリア・マチャードやミランダ・ジュライの短編が好きな方におすすめ、との触れ込み。中国系イギリス人作家(現在はベルリン在住)による作品。ちょっとずれた、というか変てこな人々が出てくる短編集のようす。
Useful Phrases for Immigrants: Stories / May-Lee Chai
Useful Phrases for Immigrants: Stories (Bakwin Award)
- 作者: May-lee Chai
- 出版社/メーカー: Blair
- 発売日: 2018/10/23
- メディア: ペーパーバック
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上の作品に続き、こちらも中国系のアメリカ人作家による短編集(関係ないけど、二人ともめちゃくちゃ美人)。中国本土とアメリカで暮らす中国人もしくは中国系の人々の日常を描いた物語。表紙も素敵。
Well-Read Black Girl: Finding Our Stories, Discovering Ourselves / グローリー・エディム
Well-Read Black Girl: Finding Our Stories, Discovering Ourselves
- 作者: Glory Edim
- 出版社/メーカー: Ballantine Books
- 発売日: 2018/10/30
- メディア: ハードカバー
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"Well-Read Black Girl"というのはブッククラブ兼オンライン・プロジェクト(下記にリンクあり)なんだそう。黒人作家による作品や、黒人の読者によるレビューを集めたもの。
本作は黒人女性作家によって書かれたエッセイを集めたアンソロジーで、文学における黒人女性の立ち位置を再認識するという目的のもと作られた本。
Vulture
小説家が選ぶ、2018年秋のベスト作品!
2018 Best Fall Books, According to Novelists
So Far So Good: Final Poems: 2014-2018 / アーシュラ・K・ル=グウィン
So Far So Good: Final Poems: 2014-2018
- 作者: Ursula K. Le Guin
- 出版社/メーカー: Copper Canyon Pr
- 発売日: 2018/10/02
- メディア: ハードカバー
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今年初めに惜しまれながら亡くなったル=グウィンによる遺作。詩集である。ちなみにこの本を選んだのは、Unshelteredを出版したばかりの作家バーバラ・キングソルヴァー。
この秋発売になる日本語訳作品だと、これが読みたいな。
水声社
『ライオンを殺せ』(フィクションのエル・ドラード)/ ホルヘ・イバルグエンゴイティア
水声社はAmazonで販売していないので、リンクなしで。メキシコ人作家イバルグエンゴイティアによる作品。
恐怖政治で権力を掌握する独裁者が治める国アレパの《真の独立》は成し遂げられるのか? 陰謀、クーデター、暗殺計画…… さまざまな思惑が入り乱れるハードボイルド小説さながらの「政治喜劇」(水声社ウェブサイトより)。
白水社
『ここにいる』(エクス・リブリス)/ 王聡威
台湾人作家による作品。
2013年に起こった「大阪市母子餓死事件」が素材になっている。当時マンションの一室で28歳の母親と3歳の息子が餓死状態で発見された。母子の孤独死は、無縁社会を象徴する事件として台湾でも大きく報じられ、衝撃を受けた著者は、舞台を台湾に置き換えて、本書を書き上げた(Amazonより)。
新潮社
『両方になる』(新潮クレスト・ブックス)/ アリ・スミス
15世紀イタリアに生きた画家と現代の英国に暮らす少女。二人の物語が時空を超えて響き合う。新鮮な驚きに満ちたコスタ賞受賞作(Amazonより)。
アリ・スミスの長編が日本語訳されるのは久しぶりでは? 2003年に発売された『ホテルワールド』は残念ながら絶版になっているようだし。
読みたいと思っていた作品なので、ぜひ日本語訳を購入したい。アリ・スミスは最近Autumnがブッカー賞にノミネートされたり、Winterも好評だったりとノリに乗っているので、今後の日本語訳も期待できそう。
早川書房
『カート・ヴォネガット全短編1 バターより銃』 / カート・ヴォネガット
アメリカ文学界の永遠の星? ヴォネガットの短編集が出るんですね。何が収録されているのかな。
筑摩書房
『柴田元幸ベスト・エッセイ』/ 柴田元幸
長らく積んでいた『舞踏会へ向かう三人の農夫』をようやく読み始めたところで、柴田元幸さんの訳にやっぱり感動している。エッセイも読みたい!
読みたい本だらけ。とはいえ、まずは積ん読解消から、なので上記からは1冊か2冊読めるかどうか。でも悩みに悩んで選ぶのも、また楽し。
以前まとめた、秋の読書にぴったりな海外文学18冊はこちらから。何冊か、今年に入ってから書き足しています。
みなさま、今週もhappy reading!