Women's Prize for Fictionのショートリストが発表されたものの、受賞作品の発表は6月から9月へと延期に(新型コロナウイルスの影響)。国際ブッカー賞の発表も遅れ、書籍関連のイベントはキャンセルも相次いでいるし、これからどうなるのか……。
本屋さんも行けないけれど、オンラインで買ったり電子書籍を買ったり、できることをしたいものです。
今年のショートリストはこちら。
昨年ブッカー賞を受賞したGirl, Woman, Otherと、ヒラリー・マンテルの3部作の3作目(1作目『ウルフ・ホール』と2作目『罪人を召し出せ』はともにブッカー賞を受賞済み)The Mirror and the Lightが当然のようにショートリスト入り。
個人的に積んでいるWeatherと、読みたいと思ったA Thousand ShipsとDominicanaが入って嬉しい。せっかく秋まで延長されたので、受賞作発表前に是非読みたいところ。
- Dominicana / Angie Cruz
- GIrl, Woman, Other / Bernardine Evaristo
- A Thousand Ships / Natalie Haynes
- The Mirror & the Light / ヒラリー・マンテル
- Hamnet / Maggie O'Farrell
- Weather / ジェニー・オフィル
Dominicana / Angie Cruz
1960年代、15歳のアナはドミニカ共和国に暮らしている。他の女の子たちのようにアメリカにいくことを夢見ているわけではないのだが、Juan Ruizに求婚され、ニューヨークに連れて行ってやると言われると、「ノー」とは言えない。彼女がアメリカへ移住できたなら、親戚一同にもチャンスが巡ってくるからだ。Juan Ruizは30歳を越えていて、恋愛感情もないけれど、他に選択肢はない。
ところがニューヨークで妻として孤独な生活を送るうち、アナにはやりたいことが出てきて……。自分の人生をとるか、家族の幸せをとるか。
GIrl, Woman, Other / Bernardine Evaristo
Girl, Woman, Other: WINNER OF THE BOOKER PRIZE 2019
- 作者:Evaristo, Bernardine
- 発売日: 2020/03/05
- メディア: ペーパーバック
ロンドンの劇場で働くAmmaなど、主に黒人の女性12人を通して現代のイギリスを描いた小説。フェミニズムと人種が大きなテーマとなっている。
2019年のブッカー賞も受賞したこちら。一言で言うならば現代イギリス版ヴァージニア・ウルフという趣で、とにかく素晴らしい作品。
A Thousand Ships / Natalie Haynes
トロイ戦争を女性の視点から綴った作品。真夜中に目覚めたクレウーサは、愛するトロイが炎に包まれているのを目撃する。10年に及ぶギリシャ人とトロイ人の争いは終わりを告げ、ギリシャ人が勝利したのだ。クレウーサの今までの人生は、たったの数時間でなかったことにされてしまう。
伝説の戦争とその後を強く生き抜いた女性、少女、女神たちが語り手となり、経験を紡ぐ。
The Mirror & the Light / ヒラリー・マンテル
舞台は1536年の5月。アン・ブーリンが斬首刑に処された。ヘンリー8世に忠実だったクロムウェルは、アン・ブーリンの処刑に賛成し、ヘンリー8世とジェーン・シーモアとの再婚を支持していたのだが……。
ブッカー賞を受賞した『ウルフ・ホール』、『罪人を召し出せ』に続く三部作の完結編。
Hamnet / Maggie O'Farrell
Hamnet: 'Dazzling. Devastating' Kamila Shamsie (English Edition)
- 作者:O'Farrell, Maggie
- 発売日: 2020/03/31
- メディア: Kindle版
タイトルが示す通り、11歳で亡くなったシェイクスピアの息子ハムネットについて、母親であるアグネス(アン)の視点から描かれた作品(ハムネットは演劇作品にもなっている)。
Weather / ジェニー・オフィル
学位を持っていないものの図書館司書となったLizzie Bensonは、周りの人のカウンセラーのような役割も努めており、自身の母親など心に病を抱える人々の助けになっていた。ある日Lizzieの尊敬する年上の女性Sylvia Lillerが、Lizzieに相談を持ちかける。Sylviaが立ち上げたポッドキャスト、Hell and High WaterでLizzieを雇い、毎日舞い込んでくるさまざまなメールに答えてほしいというのだ。Lizzieはすべての人を救おうと夢中になるのだが……。
さまざまな2020年の一押し本リストに登場している注目の一冊。