トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2022年 国際ブッカー賞受賞作は『Tomb of Sand』

*2022-05-29: 作者の出身地について、赤字で修正しています。ご指摘いただき、ありがとうございました!

 2022年5月26日(英国)、国際ブッカー賞受賞作が発表されました。受賞したのはTomb of Sand(Geetanjali Shree著、Daisy Rockwell訳)! インドの言語で執筆され、翻訳された作品が国際ブッカー賞を受賞するのは初めて。

thebookerprizes.com

 今年はショートリストに選出された6作品のうち、5作品の著者が女性であるということも話題に(翻訳者は半々くらいだった)。

Women Dominate Shortlist for International Booker Prize - The New York Times

 

Tomb of Sand / Geetanjali Shree(Daisy Rockwell)ヒンドゥー語

Tomb of Sand

Tomb of Sand

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 Tilted Axis Pressより出版された作品。作者はインド人で、ウッタルプラデーシュ州マインプリ出身(注:誤ってマニプリ出身と書いていました。ご指摘をいただきましたので修正します。ありがとうございました!)。

 舞台となっているのはインド北部。主人公である80歳の女性は夫の死後うつ状態となり、少女時代のとある記憶を辿ってパキスタンへ旅立つ。旅の途中で出会う人々を通して、主人公は母、娘、女性、フェミニストであるということの意味を再確認し、新たな人生を見出す。

 739ページと重厚感のある長編小説だが、書評を見ていると「funny」、「engaging」という言葉が並び、ウィットに富んだ作風のよう。

 日本語にも翻訳されるといいですね! 先日、マニプリ語かヒンドゥー語の翻訳者さんの話をどこかで読んだ気がするのだけれど、どこだったか思い出せず……。

 『「その他の外国文学」の翻訳者』には、ベンガル語翻訳者の丹羽京子さんのお話が掲載されていて、これもとても面白かった。非ヨーロッパ人として初めてノーベル文学賞を受賞したのはインド人詩人のラビンドラナート・タゴール。ベンガル語で創作を続けたと記されていて、その代表作が『ギーターンジャリ(Gitanjali)』(ベンガル語の発音ではギタンジャリだとのこと。日本語訳ではギーターンジャリとされていることが多い)とのことで、これはGeetanjali Shreeさんの名前にも通じているのかな?

 最近は翻訳に関する本が続々と出版されていて、楽しく読んでいます。

 

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