[Oryx and Crake] 『侍女の物語』でなんだか調子づいて(読書熱が)、アトウッドの作品を次々読み返している。 『オリクスとクレイク』は、日本語版が出ていることを知ってこちらを読んだ。 MaddAddam(マッドアダム)シリーズ3部作の第1作目。 オリクスとク…
[For Whom the Bell Tolls] 新聞記者、特派員として活躍した若きヘミングウェイはパリで小説を書き始める。1930年代には人民戦線(Frente Popular)を助けるべくスペイン内戦にも参加し、その経験をもとに長編小説を書き上げた。その内の1つが『誰がために鐘…
[La Lluvia Amarilla] 私の目の前に広がっているのは、死に彩られた荒涼広漠とした風景と血も枯れてしまった人間と木々が立っている果てしない秋、忘却の黄色い雨だけだ。 2017年に河出文庫にて文庫化され、短編も新たに2つ収録しているということで購入&再…
海はどこまでも碧く、太陽が眩しくて、淡い色の花が咲いていて……。 空気まで甘く感じるような南仏を舞台にした小説をリストにしてみた。 『夜はやさし』スコット・フィッツジェラルド 『悲しみよこんにちは』フランソワーズ・サガン 『海を見たことがなかっ…
[Записки из подполья] そういえば『地下室の手記』を読んだことがないなあと思って手に取ってみた。 『カラマーゾフの兄弟』などの大作を生み出すきっかけとなり、ジッド曰く「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」とされる重要な作品。 これがなんとも言え…
(アップデート 2018-05-23) 2018年ブッカー国際賞はオルガ・トカルチュクの『逃亡派』に決定。 www.tokyobookgirl.com 2018年ブッカー国際賞のショートリストが昨日発表されましたね*1。 2005年に創設された国際賞。当初は隔年選出だったものの、2016年か…
[Madame Bovary] わたし、どうして結婚なんかしてしまったんだろう? そんな声が全てのページから聞こえてくるような小説である。新潮文庫の表紙の絵も然り。夫人の背中からは、後悔が匂いたつよう。 ボヴァリー夫人 (新潮文庫) 作者: ギュスターヴフローベ…
[Platero y Yo] 今年はあまり新しい本は買わず持っている本を読み返すことにしている。 最近読み返したのは、こちらの1冊。ノーベル文学賞を受賞した詩人、フアン・ラモン・ヒメネスの『プラテーロとわたし』。 プラテーロとわたし (岩波文庫) 作者: J.R.ヒ…
発売日: 2018年3月15日 Rebecca Kauffman(レベッカ・カウフマン)の第2作目、The Gunnersを読んだ。 The Gunners: A Novel 作者: Rebecca Kauffman 出版社/メーカー: Counterpoint 発売日: 2018/03/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る Esqui…
[The Handmaid's Tale] マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を初めて読んだのはまだ10代の頃だった。 その後大学の授業でも読んだし、社会人になってからも読み返した。 繰り返し読んだので思い入れのある作品ではあるが、どこか自分からは遠い架空の…
旅をテーマにした小説はいくつもあるが、海外文学で特に印象に残ったものをリストにしてみる。 春になると、きたるGWや夏休みのことを考えてうきうきしてしまうあなたの旅行する際のインスピレーション源として。今年は旅行する時間が取れそうにないという方…
[My Name is Lucy Barton] 大好きな作家と同じ時代に生きているというのは、なんて幸せなことか。やきもきしながら新刊を待ち、何日も前からカレンダーを眺めて過ごす。発売されると本屋さんに走ることができるのだから。 そんな、私にとって(そしておそら…
GWまでもう少し。ニューヨーク編*1に続いて、今日はスペインを舞台にした小説を思いつくままあげてみる。 現代スペイン文学はさほど日本語に翻訳されないのが残念。それでも、いい作品はたくさんある。 スペインに行く際はぜひお供に。脳内スペイン旅行にも…
[The End of the Affair] 『情事の終り』というタイトルから、いろいろと考えてしまった。原題は"The End of the Affair"。邦題もとても素敵。 情事の終り (新潮文庫) 作者: グレアムグリーン,Graham Greene,上岡伸雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/…