トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

短編集

『燃える平原』 フアン・ルルフォ

[El Llano en Llamas] とても久しぶりに『燃える平原』を再読した。日本語で読むのは初めて。 絶版になっている水声社の単行本を買おうかなどうしようかな、と考えていた時に岩波文庫として出版されるというニュースを聞いたので5月まで楽しみに待っていたの…

『エレンディラ』 ガブリエル・ガルシア=マルケス

[Eréndira] 私にとって初めてのガルシア=マルケスは『百年の孤独』で、その1冊で「ガルシア=マルケスの沼」に真っ逆さまに落ちていってしまったのだけれど、もしこれからガルシア=マルケスを読む友人がいるとすれば『エレンディラ』を最初に読むように薦…

『アウラ・純な魂』 カルロス・フエンテス

[Aura y otros cuentos] 「これ、知っている」というのが、フエンテスを初めて読んだ時の感想だった。ちなみに初めて読んだのはラテンアメリカ文学の授業で、「女王人形」と「純な魂」だったと思う。 フエンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇 (岩波文庫) 作…

『すべての火は火』 フリオ・コルタサル

[Todos los Fuegos el Fuego] 『すべての火は火』を初めて知ったのは、ティーンエイジャーだった頃。国語(Literature)の先生とコロンビア出身の友人と話しているときに「今読んでいる本」の話になって、友人が「All Fires the Fireというコルタサルの本を…

Far Eastern Tales / サマセット・モーム

この夏の旅行のお供はサマセット・モームのFar Eastern Talesだった。Vintage Classicsの表紙もどことなくオリエンタル。 Far Eastern Tales 作者: W. Somerset Maugham 出版社/メーカー: Vintage Classics 発売日: 2000/07/25 メディア: ペーパーバック こ…

『脂肪の塊』 モーパッサン

[Boule de Suif] こんにちは。まるで梅雨が明けたみたいに、暑くなりましたね。 長編小説ばかりを続けて読んだので短編集でお口直しがしたくなり、暗い気持ちにならないものを……と、モーパッサンの短編集を手に取った。気軽に読めて、くすっとしたり、うーん…