ラテンアメリカ文学
[Pedro Páramo] ラテンアメリカ文学の「はじまり」 「もう一度読み返したくなる」、「必ず二回読みたくなる」と銘打たれて書店に並んでいる本のほとんどは(わりとバレバレな)叙述トリックを用いたミステリー小説である。 そういう説明文をつけていい小説は…
[Eréndira] 私にとって初めてのガルシア=マルケスは『百年の孤独』で、その1冊で「ガルシア=マルケスの沼」に真っ逆さまに落ちていってしまったのだけれど、もしこれからガルシア=マルケスを読む友人がいるとすれば『エレンディラ』を最初に読むように薦…
[Aura y otros cuentos] 「これ、知っている」というのが、フエンテスを初めて読んだ時の感想だった。ちなみに初めて読んだのはラテンアメリカ文学の授業で、「女王人形」と「純な魂」だったと思う。 フエンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇 (岩波文庫) 作…
[Todos los Fuegos el Fuego] 『すべての火は火』を初めて知ったのは、ティーンエイジャーだった頃。国語(Literature)の先生とコロンビア出身の友人と話しているときに「今読んでいる本」の話になって、友人が「All Fires the Fireというコルタサルの本を…
[El Amante Japonés] そういえば、久しぶりにアジェンデの日本語訳が発売されていた! 原題は El Amante Japonés(英題はThe Japanese Lover)。 日本人の恋びと 作者: イサベル・アジェンデ,木村裕美 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/02/19 メ…
先日もちらっと書いた Rosaura a Las Diez*1。「10時のロサウラ」。1955年に出版された、Marco Denevi(マルコ・デネヴィ)のデビュー作。 舞台やドラマ、映画化もされた大ヒット作である。 かなり昔の作品だが、日本のAmazonでもペーパーバックを良心的な価…
[Zorro] 子供の頃のヒーローは? と聞かれたら、迷いなく怪傑ゾロだと答えます! 我が家にはゾロの絵本や子供用のダイジェストがあったので、幼い頃から「弱気を助け、強きを挫く」を提言する存在として憧れていた。 そんなゾロの生い立ちを(想像して)描い…