トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

『快傑ゾロ』 ジョンストン・マッカレー

[The Mark of Zorro]

 単純明快なストーリーに浸りたくて、久しぶりに再読。

 二年前ほどにイサベル・アジェンデによる怪傑ゾロ・二次創作『ゾロ 伝説の始まり』を読んだ時から、読み返したいと思っていたのだった。

 読んだのは創元推理文庫の井上一夫訳バージョン。

快傑ゾロ 【新版】 (創元推理文庫)

快傑ゾロ 【新版】 (創元推理文庫)

 

 時は18世紀後半。まだスペイン領だったロス・アンゼレスで、ゾロという覆面の盗賊が暗躍していた。別名カピストラノの疫病神で、賞金首となっている。

 口だけは一人前のゴンザレス軍曹がゾロを捕まえると息巻いているのだが、なかなか思い通りにいかない。

 そんな中、近所で有数の名家の息子ドン・ディエゴ・ベガと(ゴンザレス軍曹の仲間)レイモン隊長がどちらもドン・カルロスの娘で絶世の美女セニョリタ・ロリタに求婚する。

 ところがゾロに会ったことがあり、その男らしさに惚れているロリタは「ディエゴはなよっちいし、レイモンは目がいやらしい」と二人をはねつけてしまうのだった。

 もちろん、ゾロの正体はなよっちいふりをしているディエゴで、恵まれぬ人のために怪盗のような真似をやってのけているということが最後には分かり万々歳、というストーリーがあまりにも有名な冒険活劇だ。

 いかにも漫画的で気楽に読めるのだけれど、登場人物たちそれぞれがデフォルメされていて映画やアニメに負けないほど原作も面白い。

 ちなみに、この作品はマッカレーのゾロシリーズの一作目ということもあり、まだベルナルドは登場しないんですね。

 

 イサベル・アジェンデのあふれんばかりのゾロ愛はこちらから。

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 おそらく『快傑ゾロ』的キャラクター全ての原型となったといえる、『べにはこべ』。 

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