トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

映画化

『ベラミ』 モーパッサン: 史上最強の色男

[Bel Ami] 100スーの銀貨を出した釣りを勘定台の女から受け取ると、ジョルジュ・デュロワはレストランの外へ出た。 押出の立派なこの男は、生まれつきと退役下士官のくせでぐっとそり身になったかと思うと、慣れた軍人式の手つきで口髭をひねり、それからま…

『高慢と偏見』はインスピレーションの泉

[Pride and Prejudice] 21世紀に生きる私たちをもとりこにするジェーン・オースティン作品。もちろん最も有名なのは『高慢と偏見』だろう。何度となく映画化&ドラマ化され、その度に人気を博している。 高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫) 作者: ジェーンオーステ…

『テンペスト』 シェイクスピア(松岡和子・訳)

[Tempest] シェイクスピアは謎に包まれている。 ストラトフォード・アポン・エイヴォンで革手袋商人の息子として生まれ育ち、18歳の時に26歳の女性アン・ハサウェイと結婚。 その後ロンドンへ出て、空白の数年間ののち、俳優兼劇作家として名をはせるように…

『アリーテ姫の冒険』 ダイアナ・コールス

[The Clever Princess] Beauty Mythについて書きながら、この本を思い出したので今日はアリーテ姫について書いてみたいと思います。 物心つくかつかないかという頃から本が大好きだった私。 でも、読書に対する情熱を絶やすことなく今まで生きてきたのは、い…

Crazy Rich Asians / Kevin Kwan

ここ何年か忙しく働き通しで、久しぶりに取れた1ヶ月間の夏休み。 NYで同棲しているボーイフレンドが、「親友の結婚式があるから一緒にシンガポールへ行こうよ」と誘ってきた。 シンガポールは彼の故郷。ということは、彼のご両親にも会えるのかな? 初めて…

『悲しみよこんにちは』 フランソワーズ・サガン(朝吹登水子・訳)

[Bonjour Tristesse] 一番好きな本なんて決められないけれど、一番読み返している本は間違いなく『悲しみよこんにちは』である。 毎年毎年、夏が来るたびに読み返す。 このバカンスの物語は、どうしたって夏の空気の中で読みたいですからね。 夏の旅行にも大…

This Side of Paradise (楽園のこちら側) / F・スコット・フィッツジェラルド

(楽園のこちら側) フィッツジェラルドのこと あらすじ レビュー New Generation 時代を象徴する女性になるゼルダ フィッツジェラルドのこと 初めて『華麗なるギャツビー(グレート・ギャツビー)』を読んだ時の衝撃を超える本というのはなかなかない。単語…

Everything, Everything / Nicola Yoon(ニコラ・ユン)

"Love is worth everything. Everything." 「愛こそがすべて。すべて。」 Everything, Everything 作者: Nicola Yoon 出版社/メーカー: Corgi Childrens 発売日: 2015/09/03 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る あらすじ 家から出たことの…