トーキョーブックガール

海外文学・世界文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

ブッカー国際賞

2019年のブッカー国際賞はJokha AlharthiのCelestial Bodies / Best Translated Book AwardのShortlistのこと

ブッカー国際賞 イギリスの5月21日に発表となったブッカー国際賞、今年受賞したのはJokha AlharthiによるCelestial Bodiesだった。 翻訳者はマリリン・ブース(Marilyn Booth)。 舞台はオマーンのある村で、主人公は三姉妹のMayya、Asma、Khawla。Mayyaは停…

2019年 ブッカー国際賞ショートリスト

ブッカー国際賞、ショートリストが発表されました。 今年の特徴はなんといっても、6作品中5作品が女性作家によるもので、翻訳者に限って言えば全員が女性なことではないでしょうか。 The New York Timesも、The Guardianもその事実を大きく取り上げている。…

『ピアノ・レッスン』 アリス・マンロー: 断筆宣言済み作家のデビュー作は50年の時を経てもみずみずしい

[Dance of the Happy Shades] マンローのデビュー作ということで、英語圏で出版されたのは、なんと1968年! その事実にびっくりしてしまう。日本語訳が出版されたのが去年なので、ちょうど50年の時を経て発売されたということになるが、翻訳者の小竹由美子さ…

2019年 ブッカー国際賞ロングリスト

あっという間にこの時期がきてしまった。 2005年に創設され、著者と英語への翻訳者が共同受賞するブッカー国際賞のロングリストが発表された(3月13日)。 今年の6月からはマン・グループがスポンサーを降り、代わりをカリフォルニア在住のベンチャーキャピ…

『北は山、南は湖、西は道、東は川』 クラスナホルカイ・ラースロー

[ÉSZAKRÓL HEGY, DÉLRŐL TÓ, NYUGATRÓL UTAK, KELETRŐL FOLYÓ] 現代ハンガリーを代表する作家の一人だというラースローの作品を初めて読んだ。初めて読む作家なのに、ちょっと変わり種に手を出してしまったかな〜というのが最初の感想。本作は、著者が京都に…

『フランケンシュタイン』と『メアリーの総て』とFrankenstein in Baghdad

(バグダッドのフランケンシュタイン) 大人になってから初めて『フランケンシュタイン』を読み返した。 子供の頃は、この話について、まあなんと理解できていなかったことか! 今だって理解できているのかと言われれば疑問が残るが、幼い時分はどこまでも追…

『口のなかの小鳥たち』 サマンタ・シュウェブリン

[Pájaros en la boca] 最近ラテアメ文学の再読ばかりしていて気がついた。邦訳されているイスパノアメリカ文学は圧倒的に男性作家ばかりだなと。 もちろんラテンアメリカには男性作家しかいないのかというとそんなわけはなく、大学の頃授業で学んだ作品は男…

2018年のブッカー国際賞はオルガ・トカルチュクの『逃亡派』

イギリスの5月22日、日本時間の昨夜発表になったブッカー国際賞。 受賞したのはオルガ・トカルチュクの『逃亡派』。翻訳者はジェニファー・クロフト(Jennifer Croft)。ポーランド人作家として初めての受賞となる。 ノミネート作品の中では唯一邦訳が出版済…

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か?『菜食主義者』とThe Vegetarianを読んでみた

[채식주의자] 不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か? みなさんはどちらがお好みですか? もちろん、翻訳の話です。 上記はロシア語の同時通訳者だった米原万里の著書のタイトルで、「美しいけれども原文からはかけ離れた文章(美女)をとるか、原文に忠実だが…

2018年 ブッカー国際賞ショートリスト

(アップデート 2018-05-23) 2018年ブッカー国際賞はオルガ・トカルチュクの『逃亡派』に決定。 www.tokyobookgirl.com 2018年ブッカー国際賞のショートリストが昨日発表されましたね*1。 2005年に創設された国際賞。当初は隔年選出だったものの、2011年か…

『崩れゆく絆』チヌア・アチェベ

[Things Fall Apart] ナイジェリアという国は非常に多くの小説家を生み出している。 チヌア・アチェベ、ウォーレ・ショインカ(アフリカ人初のノーベル文学賞受賞者)、ベン・オクリなど。 若い作家の台頭も目覚ましい。 チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ…