トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

フェミニズム

『傾城の恋 / 封鎖』 張愛玲

[傾城之恋] ・張愛玲の『色、戒』*1が好き。 ・映画化された『ラスト、コーション』や香港映画『花様年華』にはまった。 ・『高慢と偏見』や『細雪』など、お見合い・結婚についてのドタバタ劇が好き。 ・『風と共に去りぬ』のスカーレットとレッド・バトラ…

『戦争は女の顔をしていない』と、終戦の日に読みたい本たち

[У ВОЙНЫ НЕ ЖЕНСКОЕ ЛИЦО] 2015年ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの第1作目にして、作者自身が「もっとも大切に感じている」という作品『戦争は女の顔をしていない』を読んだ。ウクライナ出身・ベラルーシ在住のジャーナリスト…

Milk and Honey / ルピ・クーア

(ミルクとはちみつ) ルピ・クーア(日本語表記はカウルとされていることもある。英語での発音は"core"に近い感じ)のことを知ったきっかけは、彼女がインスタグラムにあげた写真だった。 2015年に投稿された、「服に経血のしみがついた女性の後ろ姿」の写…

Circe / マデリン・ミラー: ギリシャ神話から生まれたフェミニズム小説

(キルケ) *日本語訳が出版に。 キルケ 作者:マデリン・ミラー 発売日: 2021/04/30 メディア: 単行本 When I was born, the name for what I was did not exist. They called me nymph, assuming I would be like my mother and aunts and thousand cousins…

Red Clocks / Leni Zumas: フェミニストSF小説の勢いが止まらない

発売日: 2018年1月16日(レニ・ズーマス) アメリカ・オレゴン州を舞台としたフェミニスト・ディストピア小説である。本小説におけるアメリカでは、"Personhood Amendment"が施行されている。これはいわゆる「中絶禁止法」で、受精卵にも生きる権利があると…

『侍女の物語』 マーガレット・アトウッド(斎藤英治・訳): 結婚して初めて分かったこと

[The Handmaid's Tale] マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』を初めて読んだのはまだ10代の頃だった。 その後大学の授業でも読んだし、社会人になってからも読み返した。 繰り返し読んだので思い入れのある作品ではあるが、どこか自分からは遠い架空の…

Hunger / ロクサーヌ・ゲイ、そして『スイート・ヴァレー・ツイン』のこと

9-10月の"Our Shared Shelf*1"のお題本はこちら。 ロクサーヌ・ゲイの新作 Hunger: A Memoir of (My) Body 。 Hunger: A Memoir of (My) Body (English Edition) 作者: Roxane Gay 出版社/メーカー: Corsair 発売日: 2017/06/13 メディア: Kindle版 この商品…

The Beauty Myth / Naomi Wolf: 美の神話とは

こんにちは! すっかり日常に戻りましたが、先週までの夏休みのことを思い出してぼんやりしているトーキョーブックガールです。 どうでもいい話なのですけれど、、、旅行先のホテルの部屋に支配人からのお手紙があって、末尾に「オーム・シャンティ・シャン…

Nada / Carmen Laforet(カルメン・ラフォレット): 少女が大人になるまで

みなさま、こんにちは! トーキョーブックガールです。南の島から東京に戻ってきました。東京の方がよっぽど暑いことにびっくりでございます……。 今日は、夏になると読み返したくなる小説について。Carmen LaforetのNada。 スペイン文学界では非常に有名な小…

『べにはこべ』バロネス・オルツィ

[The Scarlet Pimpernel] 紅はこべ ちょっと前のことになりますが、宝塚歌劇団・星組の『スカーレット・ピンパーネル』を観てきました! 素晴らしかった〜……紅ゆずるさん・綺咲愛里さんのトップスター就任お披露目公演だったのですが、パーシー役の紅さんは…