トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『かもめ』 チェーホフ(小田島雄志・訳)

[Чайка] 今日の暑さは暴力的ですね! トーキョーブックガールです。 今週は星組『オーム・シャンティ・オーム』を見に行ったのですが(遠征した)、なんと客席には『阿弖流為』大阪公演を終えた礼真琴さんはじめ阿弖流為メンバーが! 舞台もキラキラ、客席も…

『百年の孤独』表紙デザイン

[Cien Años de Soledad] みなさま、こんにちは。トーキョーブックガールです。 今日はガブリエル・ガルシア・マルケスの名作『百年の孤独』の表紙デザインを愛でたいと思います。 魔術的リアリズムの大ファンにはたまらない巨作。各国の表紙デザインも素敵な…

『真夏の航海』表紙デザイン

[Summer Crossing] カポーティが若干19歳で書き上げた『真夏の航海』。 毎年この時期になると読み返したくなる。ニューヨークのうだるような暑さ(意外と日本に負けず劣らず湿気てますよね)や、夜のそよ風を肌で感じられるような小説。 真夏の航海 (講談社…

エマ・ワトソンがマーガレット・アトウッドをインタビュー(Entertainment Weekly: "Emma Watson Interviews Margaret Atwood about "The Handmaid's Tale"")

みなさま、こんにちは。本当に東京は毎日暑いですね。 個人的にはもうあと……一息で……夏休み……なのでラストスパートでお仕事頑張ります。 さて、goodreadsで開催されている、エマ・ワトソンのReading Club "Our Shared Shelf"。エマが国連のUN Womenプロジェ…

『フーコーの振り子』 ウンベルト・エーコ

ずっと読みたいなと思いながらも、読む機会がなかったウンベルト・エーコ。 今月は『フーコーの振り子』と『エーコの文学講義』を読むことができました。 私は読書メーターの「ガーディアンの1000冊を読む」コミュニティ&イベントに参加しており、毎月1冊は…

『夜はやさし』表紙デザイン

[Tender is the Night] 大好きな表紙デザイン。今回はF・スコット・フィッツジェラルドの『夜はやさし』のデザインを集めてみました。 『グレート・ギャツビー』とはまた違った、人生の挫折を味わい苦しみを体験したフィッツジェラルドが書く人物はどれも優…

2017年上半期のBest Books(Esquire: "The Best Books of 2017 (So Far)")

Esquireの記事"The Best Books of 2017 (So Far)"が面白かったです。まだ7月(記事が出た時点では6月)なのに「2017年のベスト本」って言っちゃうなんて、なんて気が早いんだ……。 Esquireは毎年20-25冊を、今年出版されたベスト本と題打って紹介しているよう…

読んでいないのに、読んだと嘘をついてしまった本(Esquire: "These Are the Books We're Most Likely to Have Lied About Reading")

これまた本に関する記事の紹介だが、今日は Esquireから。 爆笑してしまった。「読んでいないのに読んだと嘘をついてしまった小説」とは? というもの。 www.esquiremag.ph ジョイスの『ユリシーズ』だとか、トルストイの『戦争と平和』を読んでいないのに読…

作家が夏休みに読みたい本(The Guardian: "Best holiday reads 2017, picked by writers- part one")

ガーディアンで面白い記事を見つけたのでご紹介します。 2017年の夏休み、何を読みたい(読んだ)? というお題です。 www.theguardian.com 作家の読む本…いいですね!一部ご紹介します。 *作家の名前および本のタイトルは日本語訳されているものは日本語訳…

Theft by finding / David Sedaris: エッセイストによる爆笑日記

発売されてすぐに購入し毎日少しずつ読んだこの本! のお話を今日は書きます。David Sedarisの Theft by Finding: Diaries 1977-2002 。 Theft by Finding: Diaries (1977-2002) 作者: David Sedaris 出版社/メーカー: Little, Brown and Company 発売日: 20…

『グレート・ギャツビー』表紙デザイン

[The Great Gatsby] またまたフィッツジェラルドについて書いちゃいます。だって好きなんだもの。 ジャケ買いならぬ、表紙買いをしてしまうことが多い私だが、フィッツジェラルドの本の表紙はどこの国のものも本当に素敵! で買い占めたくなってしまう。 本…

『ラスト・タイクーン』 F・スコット・フィッツジェラルド

[The Last Tycoon] またまたフィッツジェラルドのお話だが、ちょうどスカイステージで'97年花組の『失われた楽園〜ハリウッド・バビロン〜』を見たので、いい機会だと思い『ラスト・タイクーン』について書いてみる。 宝塚の『失われた楽園〜ハリウッド・バ…

Penguin Booksのバッグ!

ペーパーバックって日本の文庫に比べると本当にぺらっぺらで表紙がすぐ折れちゃうし、劣化も早い、、、 でもその儚さ(?)が愛おしかったりするんですよね。 特に Penguin Booksの佇まいの可愛らしさは究極だと思います。さて、先日、私の巣(丸善 丸の内店…

『悲しみよこんにちは』 フランソワーズ・サガン(朝吹登水子・訳)

[Bonjour Tristesse] 一番好きな本なんて決められないけれど、一番読み返している本は間違いなく『悲しみよこんにちは』である。 毎年毎年、夏が来るたびに読み返す。 このバカンスの物語は、どうしたって夏の空気の中で読みたいですからね。 夏の旅行にも大…

『ねじの回転』 ヘンリー・ジェイムズ(蕗沢忠枝・訳)

いよいよ暑くなってきましたね! 今年は夏休みを早めに取ることにしたので、今のうちにとお仕事を頑張っているトーキョーブックガールです。 ちょっと涼しくなるようなお話を読みたくなり、 『ねじの回転』を手に取りました。いわゆるゴシックロマンの先駆け…

『脂肪の塊』 モーパッサン

[Boule de Suif] こんにちは。まるで梅雨が明けたみたいに、暑くなりましたね。 長編小説ばかりを続けて読んだので短編集でお口直しがしたくなり、暗い気持ちにならないものを……と、モーパッサンの短編集を手に取った。気軽に読めて、くすっとしたり、うーん…

男性のペンネームを使った女性作家たち

調べてみると、ジョルジュ・サンドの他にも男性風のペンネームを使い執筆した女性作家がたくさん! www.tokyobookgirl.com *現代日本にも中性的/男性的なペンネームをお使いの女性作家がたくさんいらっしゃるのですが、海外文学ブログなので、今回は省きます…

ジョルジュ・サンドについて

前回の記事で、アジェンデの『ゾロ 伝説の始まり』に登場するフランス人の女の子アニエス・ドゥシャン(貴族、フランス革命の影響でスペインに移住)のモデルはジョルジュ・サンドではないかと書いた。 本当にチョイ役だし、物語の大まかな流れにあまり影響…