トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

エマ・ワトソンのブッククラブ「お題本」リスト【最終更新 2021-01-06】

 何度か書いた、エマ・ワトソン主催のフェミニストブッククラブ"Our Shared Shelf*1"。Goodreads上のバーチャルブッククラブで、誰でも参加可能である。

 お題本は現在は2ヶ月に1冊発表されており、全て「女性」や「平等」をテーマにした面白いものばかりなので、リスト化してみた。日本語訳されていない本も多いがほとんどが読みやすく、英語での読書にもおすすめ。

 

[最新情報]

 2020年より、エマ自身によって2ヶ月に1回発表されていた「お題本」は廃止に。

 Our Shared Shelfは"unmoderated"なブッククラブとなりました。

 エマ・ワトソンによる告知は以下のとおり。

 わたしも、Instagram主体でOur Shared Shelfの活動を続けたり、ウォッチしたりしようと思っています。

I will not be making the regular bi-monthly book announcement via the board, I will be making future book recommendations through Instagram using the hashtag #oursharedshelf instead.

www.goodreads.com

www.instagram.com

 

www.instagram.com

  

2019年

11-12月: レベッカ・ソルニットによる本

[エッセイ]

 Mansplainingについて書かれたMen explain things to meを含む、ソルニットの著書。 

それを,真の名で呼ぶならば: 危機の時代と言葉の力

それを,真の名で呼ぶならば: 危機の時代と言葉の力

 
迷うことについて

迷うことについて

 
説教したがる男たち

説教したがる男たち

 
ウォークス 歩くことの精神史

ウォークス 歩くことの精神史

 
暗闇のなかの希望: 非暴力からはじまる新しい時代

暗闇のなかの希望: 非暴力からはじまる新しい時代

 

 

9-10月: 『ビラヴド』

 トニ・モリスン

[フィクション]

ビラヴド―トニ・モリスン・セレクション (ハヤカワepi文庫)

ビラヴド―トニ・モリスン・セレクション (ハヤカワepi文庫)

 

 先日亡くなったトニ・モリスンに追悼の意を込めて、9-10月のお題本はビラヴドに決定(メンバー投票による)。 

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7-8月: Solito, Solita: Crossing Borders with Youth Refugees from Central America 

Edited by Stephen Mayers and Jonathan Freedman

[ノンフィクション]

 

7-8月: Butterfly: From Refugee to Olympian - My Story of Rescue, Hope and Triumph

Yusra Mardini

[エッセイ]

Butterfly: From Refugee to Olympian, My Story of Rescue, Hope and Triumph

Butterfly: From Refugee to Olympian, My Story of Rescue, Hope and Triumph

 

 

5-6月: 『パチンコ』

ミン・ジン・リー

[フィクション] 

パチンコ 上 (文春e-book)

パチンコ 上 (文春e-book)

 
パチンコ 下 (文春e-book)

パチンコ 下 (文春e-book)

 
Pachinko

Pachinko

 

 時は1911年の韓国。既婚者であるやくざの男性の子を妊娠した15歳の娘Sunjaを救おうと、村の牧師が自分と結婚して日本で新しい生活を始めないかと彼女に提案する。

 見知らぬ国で暮らすことになったSunjaから始まり、80年・4世代にわたる在日韓国人の家族を描いた物語。 

 

 

3-4月: Fierce Femmes and Notorious Liars: A Dangerous Trans Girl's Confabulous Memoir 

Kai Cheng Thom

[フィクション]

Fierce Femmes and Notorious Liars: A Dangerous Trans Girl's Confabulous Memoir

Fierce Femmes and Notorious Liars: A Dangerous Trans Girl's Confabulous Memoir

 

 トロントをベースにしている自称"a spoken word performer, lasagna lover, wicked witch, and community worker"ことKai Cheng Thomの小説デビュー作。

 表紙もかわいい!

 主人公はカンフーの達人で病的な嘘つきという女の子で、彼女が女性ギャングに仲間入りし、失恋や友情を学ぶという物語らしい。あらすじを読む限り、キャロル・エムシュウィラーのような感じかな?

 

1-2月: The Things I would Tell You: British Muslim Women Write

Sabrina Mahfouz

[アンソロジー]

The Things I Would Tell You: British Muslim Women Write

The Things I Would Tell You: British Muslim Women Write

 

 愛、喪失、アイデンティティ、自由とは。様々なテーマのもと、30名のムスリム女性作家が作り上げたフィクション・詩・エッセイ集。マイノリティの声なき声を届けようと編集にも携わったSabrina Mahfouzは詩人・脚本家である。

 

2018年

11-12月: Sister Outsider 

 11月-12月のテーマは「女性の怒りが持つパワー」。3冊が選ばれている。

オードリー・ロード

[エッセイ]

Sister Outsider: Essays and Speeches (Crossing Press Feminist Series)

Sister Outsider: Essays and Speeches (Crossing Press Feminist Series)

 

『ザミ 私の名の新しい綴り』を書いたオードリー・ロード(フェミニズム・アクティビスト、詩人、エッセイスト)によるエッセイ・スピーチ集。「怒りを表現すること」、「怒りの使い方」について書かれてれている。

 

11-12月: Eloquent Rage: A Black Feminist Discovers Her Superpower

ブリトニー・C・クーパー

 [ノンフィクション / 政治・社会科学]

Eloquent Rage: A Black Feminist Discovers Her Superpower (English Edition)

Eloquent Rage: A Black Feminist Discovers Her Superpower (English Edition)

 

 こちらは今年の初めに発売された本。ロクサーヌ・ゲイもおすすめしている。

 黒人女性が怒り狂っているというのは真実か? オードリー・ロードが拓いた道を歩むクーパーによって、怒りはエネルギー源となり、戦い続ける強さを女性たちに与えてくれるのだということが、フェミニストになること・友情や恋愛指南・ポップカルチャーに蔓延しているホワイトウォッシュなどを例に用い、説明されている本。

 

11-12月: Good and Mad: The Revolutionary Power of Women's Anger

レベッカ・トレイスター

[ノンフィクション / 政治・社会科学] 

Good and Mad: The Revolutionary Power of Women's Anger

Good and Mad: The Revolutionary Power of Women's Anger

 

 Big Girls Don't CryAll the Single Ladiesなど、ポップソングをタイトルに据えたノンフィクション(内容は大統領選における女性の立ち位置やアメリカの独身女性について)を発表してきたトレイスターによる作品で、こちらも今年発売されたもの。 #MeTooムーヴメントなど、女性の怒りが急に表に出てきたように感じられた2018年。だがそれは、長い間抑圧されてきた女性の政治への怒りの感情がついに噴出したにすぎない。政治を動かしてきた女性たちの怒りについて書かれている。 

 

9-10月: 『レベッカ』

ダフネ・デュ・モーリア

[フィクション]

レベッカ〈上〉 (新潮文庫)

レベッカ〈上〉 (新潮文庫)

 
レベッカ〈下〉 (新潮文庫)

レベッカ〈下〉 (新潮文庫)

 

 ホラーをテーマに、メンバー投票で決まった秋の課題本は『レベッカ』!

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た。

という書き出しは、文学史に残る稀有な美しさ。

 妻を事故で失った貴族・マキシムと恋に落ち、後妻として彼に嫁ぐことになった「わたし」。豪奢な屋敷・マンダレーでの生活に胸を膨らませるが、その屋敷には美しいことで有名だったという先妻レベッカの面影だらけだった。「わたし」はレベッカに劣っているのではないか、マキシムと釣り合っていないのではないかと疑心暗鬼になり、周りの人々や過去の亡霊に怯えるようになる。「わたし」にとって、レベッカはまさに完璧で、いつかこうなりたいと考えているような女性である。

 古きよきイギリスの名家を舞台に、恋愛・ミステリー・サスペンスと様々な要素をふくむ小説だ。名前すら与えられない主人公が、少女から大人の女性へと成長を遂げる様子を描く物語でもある。

 フェミニズムという観点でこの小説をとらえたことがないので、私も久しぶりに読み返してみようかなと思います!

 

7-8月: 『ミルクとはちみつ』

ルピ・クーア

[詩]

Milk and Honey

Milk and Honey

 
ミルクとはちみつ

ミルクとはちみつ

 

 素直で飾り気のない言葉で綴られた、「女性として生きること」の意味。のびのびと型にはまらない詩(というより、ことば)が心に響くデビュー作。

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5-6月: 『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ』  

 メンバーの投票によって決まった(私も投票しましたっ)5-6月のお題本は人気が高かったこの2冊。

アンジー・トーマス

[YA] 

ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ (海外文学コレクション)

ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ (海外文学コレクション)

 

 ギャングが徘徊し、ドラッグが蔓延するゲットー(黒人街)で生まれ育った高校生の女の子スターは、10歳の時、友達が拳銃で撃たれるのを目撃していた。
 その後、上流階級育ちの白人の子たちが通う高校に通っていたスターだったが、ある夜、幼馴染のカリルが警官に撃たれるところを目撃してしまう。しかし警察は、無抵抗のカリルを撃った白人警官の行為を正当化するため、カリルを極悪人に仕立て上げようとする。
 カリルの声になることを誓ったスターは、カリルの汚名をそそぐ為、証人として法廷に立つことを決意する。(Amazonより)

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5-6月: The Radium Girls

Kate Moore(未訳/ケイト・ムーア)

[ノンフィクション]

The Radium Girls: The Dark Story of America's Shining Women

The Radium Girls: The Dark Story of America's Shining Women

 

 キュリー夫人の発見後、アメリカ中で脚光を浴び、時計の文字盤の夜光塗料などとして使用されるようになったラジウム。当時(第一次世界大戦前)、放射能物質であるラジウムの危険性は認識されておらず、時計工場で働いていた女性たちは手作業でラジウムを時計に塗っていた。その際、ラジウムのついた筆先をなめ整えていたという。その後女性たちの間では、ラジウムが原因とみられる病気が多発し、多くが死亡した。生き残った者たちは訴訟を起こし、ラジウム・ガールズと呼ばれるようになった。

 史上初の従業員による会社の訴訟を描いたノンフィクション。

 

3-4月: Heart Berries

Terese Marie Mailhot(未訳/テリーズ・マリー・メイロット) 

[自伝・エッセイ]

Heart Berries: A Memoir

Heart Berries: A Memoir

  • 作者: Terese Marie Mailhot,Sherman Alexie,Joan Naviyuk Kane
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  • 発売日: 2018/02/06
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 カナダのブリティッシュ・コロンビア州におけるインディアン保留地*2で育ったメイロットが描く、インディアン(現在はファースト・ネーション/First Nationsと呼ばれる)の一家の歴史(自伝)。家族から引き離され、「新しいカナダの文化を学ばせる」という大義名分のもと寄宿学校に入れられた祖母。幼い頃から貧困、麻薬中毒、虐待などを経験し17歳で結婚したメイロット。

In white culture, forgiveness is synonymous with letting go. In my culture, I believe we carry pain until we can reconcile with it through ceremony. Pain is not framed like a problem with a solution.

白人の文化では、許すことは手放すこと。私の文化では、儀式を通じて和解するまで痛みを抱え続けるのだと思う。痛みは解決策のある問題だとはみなされていない。

 

1-2月: Why I'm No Longer Talking to White People About Race

Reni Eddo-Lodge(未訳/レニ・エッド-ロッジ)

[エッセイ] 

Why I'm No Longer Talking to White People About Race

Why I'm No Longer Talking to White People About Race

 

 2014年、イギリスのジャーナリスト・エッド-ロッジは"Why I'm No Longer Talking to White People About Race(私が人種について白人とは話をしなくなった理由)"と題打ったブログを立ち上げた。 

 人種や人種差別についての議論を、被害者ではない白人が主導しているのはなぜ? という疑問を持ったからだそう。

 黒人の歴史や白人優位性、ホワイトウォッシュされたフェミニズム、イギリスにおける階級と人種など、様々なトピックに触れたエッセイ。

 

2017年

11-12月: 『パワー』

ナオミ・オルダーマン

[フィクション]

パワー

パワー

 
The Power: WINNER OF THE 2017 BAILEYS WOMEN'S PRIZE FOR FICTION

The Power: WINNER OF THE 2017 BAILEYS WOMEN'S PRIZE FOR FICTION

 

 10代の少女たちが突然、他の人を感電させ死に追いやることができるというスーパーパワーを持ち始める。

 そのパワーで女性は男性に代わり世界を支配するようになる。「交換可能な物」として粗末に扱われるようになった男性の数は減り、彼らはレイプや虐殺に怯え、女性の顔色を伺って生きるようになる。世界中の男女が登場するのが新鮮。

「本を女性の偽名を使って出版してはどうか」と提案される男性ジャーナリストなど、男性と女性の力関係が完全に覆った世界を体験できる。

 

9-10月: 『飢える私ーーままならない心と体』

ロクサーヌ・ゲイ

[自伝・エッセイ]

飢える私――ままならない心と体

飢える私――ままならない心と体

 
Hunger: A Memoir of (My) Body

Hunger: A Memoir of (My) Body

 

 『バッド・フェミニスト』の著者ロクサーヌ・ゲイによる自伝。子供の頃に受けた集団レイプが原因で過食に陥り、男性に魅力的に見えない体型でいることに安心感を覚えたというゲイ。その後の体重との戦い、自分自身との葛藤が赤裸々に綴られている。アメリカという国が抱える闇を垣間見ることができる。ゲイの素直なエッセイがそれを変える一歩になるかもしれない。 

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7-8月: 『美の神話』

ナオミ・ウルフ 

[社会学]

美の陰謀―女たちの見えない敵

美の陰謀―女たちの見えない敵

 
The Beauty Myth (Vintage Feminism Short Edition) (Vintage Feminism Short Editions)

The Beauty Myth (Vintage Feminism Short Edition) (Vintage Feminism Short Editions)

 

 90年代に書かれたものだが全く古くなく、むしろ現代の方が課題が増えているのではないかと感じる。

 現代の女性は、ガードルや不平等な勤務形態からは解放されているものの、その代わりに美しくなければいけないという、「美の神話」という呪いをかけられているという主張を、仕事や文化、性の視点から分析したエッセイ。

 どこの国でも状況は同じだとため息をつきたくなるし、美の神話が今や男性までも苦しめているという現状に気づかされる。

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5-6月: 『侍女の物語』

 マーガレット・アトウッド

[フィクション]

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

 
The Handmaid's Tale: A Novel

The Handmaid's Tale: A Novel

 

 ドラマ化もされた元祖「フェミニストSF小説」もといディストピア小説。1985年に出版されたものの、現代社会に警鐘を鳴らすような内容で今再び注目されている。

 ディストピア小説としては珍しい、女性の視点から書かれた物語。アトウッドの作品の中でもフェミニズム色が濃い物語。

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3-4月: 『狼と駆ける女たち 「野生の女」元型の神話と物語』

クラリッサ・ピンコラ・エステス

[社会学]

狼と駈ける女たち―「野性の女」元型の神話と物語

狼と駈ける女たち―「野性の女」元型の神話と物語

  • 作者: クラリッサ・ピンコラエステス,Clarissa Pinkola Est´es,原真佐子,植松みどり
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 単行本
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Women Who Run With The Wolves: Contacting the Power of the Wild Woman (Classic Edition)

Women Who Run With The Wolves: Contacting the Power of the Wild Woman (Classic Edition)

 

 精神分析医である著者が、女性たちの治療に用い、効果を得た神話と民話を集めて語り解く、新鮮な癒しの書。(Amazon紹介文より) 

 

1-2月: 『ヴァギナ・モノローグ』

 イヴ・エンスラー

[エッセイ]

ヴァギナ・モノローグ

ヴァギナ・モノローグ

 
The Vagina Monologues

The Vagina Monologues

 

 「アソコ」、「あれ」としか呼ばれないような女性器について、そして性体験について、多くの女性に語ってもらった内容をオフ・ブロードウェイの一人芝居に仕立て上げた著者。

 芝居は大ヒットし、モノローグを書き起こしたこの本もベストセラーとなった。

 日本でも定期的に上演されている様子。次回は必ず見に行きたい。

www.magazine9.jp

 

2016年

11-12月: Mom & Me & Mom 

Maya Angelou (未訳/マヤ・アンジェロウ)

[フィクション]

Mom and Me and Mom

Mom and Me and Mom

 

 マヤ・アンジェロウはアメリカの詩人/歌手/女優で、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアなどと公民権運動に参加したことでも知られる女性(2014年没)。 

 彼女が複雑な関係にあった母について綴ったエッセイがこのMom and Me and Mom。何しろ夫との関係が上手くいかなくなり、自身の母(アンジェロウの祖母)に子供を預け、10年迎えに来なかった女性だ(エッセイの中でアンジェロウは母親を"Mom/Mother"ではなく"Lady"と言及している)。アンジェロウは母親の夫(義父)にレイプされた経験も持つ。それらを乗り越えて母と娘としてやり直していく姿が画かれている。

 アンジェロウは多くの名言を残しているが、私のお気に入りはこちら。

If you don’t like something, change it.
If you can’t change it, change your attitude.
Don’t complain.


気に入らないことがあるなら、変えなさい。
変えることができないなら、それに対するあなたの態度を変えなさい。
文句は言わないで。

 

9-10月: 『ハーフ・ザ・スカイ』

ニコラス・クリストフ、シェリル・ウーダン

[ノンフィクション]

ハーフ・ザ・スカイ――彼女たちが世界の希望に変わるまで

ハーフ・ザ・スカイ――彼女たちが世界の希望に変わるまで

  • 作者: ニコラス D クリストフ,シェリルウーダン,Nicholas D. Kristof,Sheryl WuDunn,藤原志帆子(解説),北村陽子
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2010/10/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Half the Sky: Turning Oppression into Opportunity for Women Worldwide

Half the Sky: Turning Oppression into Opportunity for Women Worldwide

 

  今も世界のどこかで起きている悲劇。

「女性であるがゆえに奪われた命」に関して取材を続けた記者がまとめたルポルタージュ。 様々な国で人身売買の犠牲となった女性をインタビューし、彼らの人生を追う。

 映画化もされている。

 

7-8月: Hunger Makes Me a Modern Girl: A Memoir

Carrie Brownstein(未訳/キャリー・ブラウンスタイン)

[自伝・エッセイ]

Hunger Makes Me a Modern Girl: A Memoir

Hunger Makes Me a Modern Girl: A Memoir

 

 ギタリスト・シンガーの著者による自伝。"Hunger Makes Me a Modern Girl"というタイトルは、彼女がバンドのために書いた歌詞から取られている。

 内容は音楽に魅せられたブラウンスタインの自伝で、オタクだった少女時代、父親に実はゲイだと告白されたこと、自身がレズビアンだと自覚したことなどを軽やかにユーモアを交えて語る。 

 

6月: 『ペルセポリス』

マルジャン・サトラピ

[グラフィックノベル]

ペルセポリスI イランの少女マルジ

ペルセポリスI イランの少女マルジ

 
Persepolis: The Story of a Childhood (Pantheon Graphic Novels)

Persepolis: The Story of a Childhood (Pantheon Graphic Novels)

 

 お題本の中で唯一のコミック。イランの裕福な家庭で生まれ育った少女マルジと家族がイスラム革命に巻き込まれる。だんだん変わっていく社会をユーモアを交えて描いた作品。

 なんとかマルジの将来を守ろうと奮闘する両親、大好きなおばあちゃんとはもう二度と会えないかもしれないと泣きながらイランを離れるマルジ。

 読み終えたら、すぐに『ペルセポリス2』を読みたくなること必至なので2冊同時購入をおすすめします。

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る

 

 2008年には映画化も。

ペルセポリス [DVD]

ペルセポリス [DVD]

 

www.tokyobookgirl.com

 

5月: The Argonauts 

Maggie Nelson(未訳/マギー・ネルソン)

[自伝・エッセイ]

The Argonauts

The Argonauts

 

 詩人・ノンフィクション作家のネルソンによる自伝的エッセイ。

 ネルソンの経験した、芸術家ハリー・ドッジとの恋愛について、妊娠や家族について描かれている。

 

4月: 『女になる方法ーロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』

キャトリン・モラン

[自伝・エッセイ]

女になる方法 ―ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記―

女になる方法 ―ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記―

 
How to Be a Woman

How to Be a Woman

 

 ティーンエイジャーから30代半ばまでの自身の人生を振り返りながら、フェミニズムをわかりやすくかつユーモラスにかみくだいたエッセイ。

 

3月: 『オール・アバウト・ラブ:愛をめぐる13の試論』 

ベル・フックス

[エッセイ]

オール・アバウト・ラブ: 愛をめぐる13の試論

オール・アバウト・ラブ: 愛をめぐる13の試論

 
All About Love: New Visions (Bell Hooks Love Trilogy (Paperback))

All About Love: New Visions (Bell Hooks Love Trilogy (Paperback))

 

 フェミニズム批評家として著名なフックスが愛について書いたエッセイ。人種や性別といった垣根を超えて出会う愛の素晴らしさ、愛を見失わないためにどうすればいいかなど。

 

2月: 『カラーパープル』

アリス・ウォーカー

[フィクション]

カラーパープル (集英社文庫)

カラーパープル (集英社文庫)

 
The Color Purple

The Color Purple

 
カラーパープル(字幕版)

カラーパープル(字幕版)

 

 1900年代のジョージア。アメリカ南部の町である。

 16歳のセリーは美しい妹ネッティーとは違い不器量で、父親から性的虐待を受けている。その後、話したこともない男・ミスターに嫁がされ、彼と元妻との間の子供を育てることになる。

 人種差別、教育の大切さ(セリーは学校に行ったことがなかったが、ネッティーに教わりく文字を読めるようになる)、男性優位の社会。多くの逆境の中で淡々と生きるセリーをそっと見守るように読み進めると、ラストには大泣きしてしまうと思う。

 時代背景がわかりにくい部分もあるのだが、その辺りが映画では上手くカバーされていておすすめ。 

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My Life on the Road 

Gloria Steinem(未訳/グロリア・スタイネム) 

[自伝・エッセイ]

My Life on the Road (Random House Large Print)

My Life on the Road (Random House Large Print)

 

 作家/ラディカルフェミニズム運動の活動家など様々な顔を持つ著者が、どのように育ったかを語ったエッセイ。

 常に旅行中(on the road)のように移動し、様々な人に会い、話を聞き、自身の意見を育てていった様子が綴られている。

 

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*1:

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*2:カナダのインディアン法によって、インディアンもしくはファースト・ネーションの人々の居住地と定められた地域。詳しくはこちら。インディアン法 (カナダ) - Wikipedia