トーキョーブックガール

海外文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

ニューヨークを舞台にした小説 12冊

休日や出張で旅行するときは、旅行先の街、あるいは国を舞台にした小説を読むことにしている。

多分同じことをしている読書好きさんは沢山いると思うし、その内容を知りたいなとよく思う。というわけで、リストを作ってみた。

まずはニューヨーク。まごうことなき大都会を舞台にした小説(海外文学)たち。

 

  

『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』

ブライト・ライツ、ビッグ・シティ (新潮文庫)

ブライト・ライツ、ビッグ・シティ (新潮文庫)

 

 このタイトルが本当に素敵で…冬のニューヨークを訪れる前に、タイトル買いして読んだ一冊。

主人公はニューヨークの一流出版社で働く男。パーティーの花であり、どんなスポーツの話題にもついていける男。美しい妻を持つ男。

ドラッグでヘロヘロになって朝までクラブにいても、それを小説に書き、いつかフィッツジェラルドのように成功したいと考えている男。

80年代アメリカの活気に満ち溢れた空気がなんとも新鮮である。

ともすればスノッブになりがちな内容も、「きみは」と読者に語りかけるようなスタイルの文章のおかげで非常にフレッシュ。ニューヨークにいないと書けない文章だと思う。

絶版となっているのが残念。新訳が出るといいのだけれど…。

 

『ティファニーで朝食を』

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

 

ニューヨークを舞台にした小説、というとやっぱり一番に思い浮かぶのはこの作品だろう。

第二次世界大戦中のニューヨークに生きる「僕」と同じアパートの住人、ホリー・ゴライトリー。二人ともニューヨーク出身ではなく田舎から出てきた者同士、大都会で感じる孤独や郷愁を共有する感じがいい。

不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。だから信心深いとか、そういうことじゃないんだ。もっと実際的なもの。癌はあなたを殺すかもしれないけど、もう一方のやつはあなたを間違いなく殺すのよ。

というホリーの言葉が心に残る。

ティファニーの前でクロワッサンをかじるオードリー・ヘップバーン演じるホリーは夢のように素敵で、ニューヨークのアイコンとなった。しかし、原作のホリーは一味違った魅力があるのだ。マリリン・モンローのイメージで作り上げたキャラクターなので、カポーティが映画のキャスティングにご不満だったことも有名。

ニューヨークのティファニー本店(5番街)はやっぱり素敵である。

クリスマスシーズンには、素晴らしいウィンドウディスプレイや宝箱のようなイルミネーションを見ることができて、夢のよう。

 

『グレート・ギャツビー』

ニューヨークといえばもちろん、フィッツジェラルドは外せない。 

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

  • 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
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  • 発売日: 2006/11/01
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ニューヨークで一財産なして、若かりし頃南部で出会った憧れの女性・デイジーを手に入れようとするギャツビー。紳士的で、全てを手にいれた時代の寵児のような彼には秘密があって…。

マンハッタンの狂騒と、クイーンズ・ブルックリンの人々のその日暮らしの対比が味わい深い。

"Old sport"を「オールド・スポート」と訳してセンセーションを巻き起こした(?)村上春樹訳が最新版です。

 

『ムーン・パレス』

ムーン・パレス (新潮文庫)

ムーン・パレス (新潮文庫)

 

コロンビア大学に入学した学生が自分のルーツを知り、大人になるまでの物語。

人々は集い、群れるが、ある時が来るとそれぞれが変わり、新しい場所へと歩いていく。 これは、「ムーン・パレス」というニューヨークの中華料理屋に集う人々のエピソードである。この話に出てくる人々は、いまや主人公の近くにはいない。でも思い出やぬくもり、愛は心の中にいつまでも残るのだ。

月やセレンディピティがたくさんモチーフとして使用されており、色鮮やか。

 

『ライ麦畑でつかまえて』

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

 

若干内弁慶で、矛盾だらけのお坊ちゃんのお話。

お坊ちゃんと同じくらい様々な顔を持つニューヨークという都市が、舞台にぴったり。

 

『クローディアの秘密』

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

 

メトロポリタン美術館に行く際はぜひ携えていきたい児童書。

家出して、メトロポリタンで一夜を過ごすことになるクローディアと弟の物語。

クローディアが隠れた部屋はここかな?眠ったベッドはこれかな?など、想像しながらメトロポリタンを歩くと、より一層楽しい体験ができること間違いなし!

 

『ベル・ジャー』 

ベル・ジャー (Modern&Classic)

ベル・ジャー (Modern&Classic)

 

30歳の若さで自殺した詩人シルヴィア・プラスによる自伝的小説。主人公のエスターは19歳で、ファッション雑誌のコンテストに選ばれたためニューヨークの出版社でエディターとしてインターンの仕事を得る。同じようにインターンとなった11人の女の子たちは、田舎出身のエスターとは違い都会育ちのお嬢様ばかり。あまりの環境の違いに驚きながらも、彼女はニューヨークで新しいことを次々と体験する。

後半は精神を病み田舎へ戻ることになるのだが、前半のニューヨークの描写は19歳の少女の青春と重なってまばゆいばかり。

 

ここらでchick litをいくつか…。

『Sex and the City』 

セックスとニューヨーク (ハヤカワ文庫NF)

セックスとニューヨーク (ハヤカワ文庫NF)

 

日本語版は『セックスとニューヨーク』というタイトルで発売(発売されたのがドラマ放映前だったのでしょうね)。

キャンディス・ブシュネルというまさにキャリー・ブラッドショーそのもののようなブロンド美女がニューヨークで遭遇した面白い人々について書き散らした(失礼)エッセイ集である。どこからでも読めるのがいいところ。

一昔前の話ではあるものの、都会における独身女性のありかた、だとか、モデルとしか付き合わない男とは、とか、今読んでも面白く考えさせられるトピックも多い。

英語版も読みやすく、ニューヨークの空気を肌で感じることができるのでおすすめ。 

Sex and the City

Sex and the City

 

 

『プラダを着た悪魔』

 

プラダを着た悪魔〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

プラダを着た悪魔〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

 
プラダを着た悪魔〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

プラダを着た悪魔〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

 

こちらも映画化された作品だが、小説の方がよりリアル。特に、悪魔上司・ミランダが。

エルメスのスカーフ、プラダのドレス、ジミー・チュウのスティレットと、次々と登場する美しい衣服にはため息。

ちなみにミランダのモデルとなったアナ・ウィンターはニューヨーカーではなくイギリス人だが、常に辛口な彼女のコメントはかなりニューヨーク的かも。ファッションも。

このVOGUE誌による"73 Questions with Anna Wintour"のビデオが好きです。


73 Questions with Anna Wintour

 

『マザーレス・ブルックリン』

マザーレス・ブルックリン (ミステリアス・プレス文庫)

マザーレス・ブルックリン (ミステリアス・プレス文庫)

 

「ガーディアン誌が選ぶ1000冊」にも入っている小説。この1000冊はかなり偏りがあり、イギリス人作家によるもの&古典が相当多いので、2000年代前半にアメリカ人によって執筆されたこの小説はそのハードルも乗り越えて、相当高評価を得たということなのだろう。

主人公ライオネルは孤児院育ち。そんな彼をかくまい、仕事を教え、大人になるまで見守ってくれた兄貴分フランクが殺される。ライオネルはフランクを殺したのが誰なのか、調べ始めるが…。

2000年代初頭でしか使えないトリックというかネタが使われていたりして(現在では一般的になりすぎているもの)、その頃の雰囲気が味わえる。

ブルックリンに行きたくなる。

 

現代のニューヨークを描く小説も。

『オープン・シティ』

オープン・シティ (新潮クレスト・ブックス)

オープン・シティ (新潮クレスト・ブックス)

 

ナイジェリア系作家によるマンハッタンの物語。

主人公はナイジェリア出身のジュリアス、精神科の研修医である。彼は昼夜ニューヨークを見つめ、人々を観察するのだが…。

現在のニューヨークを語る一冊。

 

『O・ヘンリー ニューヨーク小説集』

昔のニューヨークを描いた小説ならこちら。

O・ヘンリー ニューヨーク小説集 (ちくま文庫)

O・ヘンリー ニューヨーク小説集 (ちくま文庫)

 

サキと並び、短編の名手とされるO・ヘンリー。

「賢者の贈り物」、「最後の一葉」は含まれない短編集。

これが非常に「小粒でもピリリと辛い」山椒的で、どれも読ませる。19世紀当時のニューヨークの様子が手に取るように伝わる。

 

番外編

『ユー・ガット・メール』などで、ニューヨークを美しくとらえた「ラブコメの女王」監督、ノーラ・エフロンのエッセイ。個人的に、今まで読んだエッセイの中で一番面白かった作品。

アッパーイーストサイドに住み、ブローのためだけに美容院に週2回行くようなセレブ。そして人もうらやむキャリアを持った美人。

なのに首のシワを異常なまでに気にして、ハンドバッグのなかには常にtictac*1やAdvilが散乱している。そして、レシピ本を通してシェフと想像上の会話を繰り広げる。

なんてチャーミング。こんな60代になりたい♡

首のたるみが気になるの (集英社文庫)

首のたるみが気になるの (集英社文庫)

 

 

ガーディアンや、ペンギン/ランダムハウスによるニューヨークを舞台にした小説リスト

もあります。

www.theguardian.com

www.penguinrandomhouse.com

そしてこちらは

"100 books across America"

ということで、各州を舞台にした小説およびノンフィクションを紹介しているlithubの記事。

見ているだけでわくわくする!

f:id:tokyobookgirl:20180307133421j:plain

lithub.com

 

旅行に行く際は是非。

みなさま、今週末もhappy reading!

 

www.tokyobookgirl.com

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*1:アメリカでいうところのミンティア。ほんのりとバニラの味がするところがミソ。