トーキョーブックガール

世界文学・翻訳文学(海外文学)や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2018年のギラー賞はWashington Black

 すっかり遅くなってしまったけれど、11月19日に発表されたカナダの文学賞・ギラー賞を受賞したのはEsi EdugyanによるWashington Blackでした。まだハードカバーしか出版されていおらず、ペーパーバックは予約受付中(来年の4月)。

Washington Black: Shortlisted for the Man Booker Prize 2018

Washington Black: Shortlisted for the Man Booker Prize 2018

 

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 ショートリストにノミネートされていた5作品全てがめちゃくちゃ面白そうで、バラエティに富んでいて、作品紹介を読んでいるだけでワクワクしてしまうという素晴らしいチョイスだったので、一読者としては審査員の皆様にも心から感謝したい。なかでも、Washington Blackは、改めて読書の愉楽を教えてくれるような小説だった。 

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 その他のノミネート作品も粒ぞろい。

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 タイムトラベルもののAn Ocean of Minutesもストーリーが面白そうだと思ったのだけれど、Kindleでお試し読みしてみた印象は、少しとっちらかっていたかなあ。

An Ocean of Minutes

An Ocean of Minutes

 

 Songs for the Cold of Heartは是非読みたかったのだけれど、英訳が入手できそうになく断念したのだった。

Songs for the Cold of Heart

Songs for the Cold of Heart

 

 

 ちなみにEsi Edugyanがギラー賞を受賞するのはこれが二回目。一度目は2011年のHalf-Blooded Blues。1940年代のフランスを舞台に、ドイツの国籍を持つ男の人生を描いた作品だそう。こちらは読んでいなくて、これから読みたいと考えているところ。 

Half Blood Blues: Shortlisted for the Man Booker Prize 2011

Half Blood Blues: Shortlisted for the Man Booker Prize 2011

 

 

 Esi Edugyan以外にも、過去にギラー賞を二度受賞した作家はいる。M・G・ヴァッサンジとアリス・マンローの二人だ。ヴァッサンジはこちらの作品。

The Book of Secrets: A Novel

The Book of Secrets: A Novel

 
ヴィクラム・ラルの狭間の世界

ヴィクラム・ラルの狭間の世界

 

 アリス・マンローは、こちら。スペインの映画監督ペドロ・アルモドバルも大ファンだというマンロー、女性の悲しみや妬みや葛藤を描き出しているのが特徴。

善き女の愛 (新潮クレスト・ブックス)

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ジュリエット (新潮クレスト・ブックス)

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