トーキョーブックガール

海外文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いているブログです。

2018年出版

今時珍しい「大人」向けの物語: The Only Story ジュリアン・バーンズ

もうすぐ今年のブッカー賞ロングリストの発表、ということで、候補になりそうな作品をなんとなく読んでいる今日この頃。 まずはこちら。ジュリアン・バーンズの待望の新作。王道のラブストーリーである。 The Only Story 作者: Julian Barnes 出版社/メーカ…

生まれるべきか、生まれざるべきか。それが問題だ: 『憂鬱な10ヶ月』 イアン・マキューアン

『波 6月号』の小山田浩子さんによる書評がとても面白かったので、発売日に購入したマキューアンの最新作。ようやく読む時間がとれた。 憂鬱な10か月 (新潮クレスト・ブックス) 作者: イアンマキューアン,Ian McEwan,村松潔 出版社/メーカー: 新潮社 発売日:…

夏に何を読む?2018年サマー・リーディング・リスト色々

Twitterを眺めていると、そろそろ各誌や著名人の2018年Beach Readsやサマー・リーディング・リストが出揃いつつあるようなので、まとめてみた。 皆様、夏休みの計画はもう立てていますか?旅行に行く方も、おうちで過ごす方も、リラックス時間のお供にどうぞ…

面白うてやがて悲しき: LESS アンドリュー・ショーン・グリーア

ヴィエト・タン・ウェンに続き、ピューリッツァー賞関連をもう一つ。アンドリュー・ショーン・グリーアによるLessを読んだ。2018年のピューリッツァー賞フィクション部門受賞作。 The Pulitzer Prizes アンドリュー・ショーン・グリーアは初めて読む作家だが…

『奪われた家 / 天国の扉 動物寓話集』 フリオ・コルタサル

[Bestiario] 大阪で大きい地震がありました。本ブログは基本的に自動更新なので反応が遅く恐縮ですが、関西の皆様ご無事でしたでしょうか。 雨が続き心も晴れないですね…安全第一、気をつけてお過ごし下さい。 今日は、大好きなコルタサルの新刊が光文社文庫…

自分の死ぬ日が分かったら、どう生きる? The Immortalists, Chloe Benjamin(クロエ・ベンジャミン)

ブックカバーが素敵。 ハードカバー発売当初に購入したのだが、しっとりとしてマットな質感の黒の背景に、カバラの「生命の樹」を思わせるような1本の木が描かれていて、周りにゴールドのキラキラが煌めいていて…。語彙力不足でもどかしいけれど、なんとも素…

『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ』 アンジー・トーマス

[The Hate U Give] メンバーの投票で決定した2018年5-6月のOur Shared Shelf(エマ・ワトソン主催のブッククラブ)お題本は2冊あるのだけれど、1冊目は『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ』というYA小説! そろそろ読み始めようかなと思った頃、偶然書店で日本語訳を…

『島とクジラと女をめぐる断片』 アントニオ・タブッキ

[Donna di Porto Pim]真夏日が続いている。 こんなに暑くなると、なんだかタブッキが読みたくなりますねえ。 イタリアの作家と言えばタブッキとカルヴィーノが頭に浮かぶのだけれど、タブッキは夏、カルヴィーノは冬を連想させる作家(個人的に)なのが面白…

『燃える平原』 フアン・ルルフォ

[El Llano en Llamas] とても久しぶりに『燃える平原』を再読した。日本語で読むのは初めて。 絶版になっている水声社の単行本を買おうかなどうしようかな、と考えていた時に岩波文庫として出版されるというニュースを聞いたので5月まで楽しみに待っていたの…

Penguin Booksの新しいシリーズPenguin Modernが可愛い

先日久しぶりに神保町パトロールをして、仕上げの三省堂で見つけたPenguin Booksの新シリーズ(2018年発売)。 文庫サイズの可愛いPenguin Modernです。薄い青緑のカバーも美しくて思わずジャケ買い。シールもしくはブックマークのおまけつき。 三省堂には10…

フェミニストSF小説の勢いが止まらない: Red Clocks, Leni Zumas

発売日: 2018年1月16日(レニ・ズーマス) アメリカ・オレゴン州を舞台としたフェミニスト・ディストピア小説である。 本小説におけるアメリカでは、"Personhood Amendment"が施行されている。これはいわゆる「中絶禁止法」で、受精卵にも生きる権利があると…

自殺した幼馴染が抱えていた秘密とは: The Gunners, Rebecca Kauffman

発売日: 2018年3月15日 Rebecca Kauffman(レベッカ・カウフマン)の第2作目、The Gunnersを読んだ。 The Gunners: A Novel 作者: Rebecca Kauffman 出版社/メーカー: Counterpoint 発売日: 2018/03/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る Esqui…

3月時点でのBest Books 2018(Esquire: "The Best Books of 2018 (So Far)")

昨年、6月の時点で2017年のBest Booksリストを発表していたせっかちさんのEsquire。 (去年の記事はこちらから) www.tokyobookgirl.com 今年もやるのかな〜と思っていたら、もう既に2018年の"The Best Books of 2018 So Far"が発表されていた(3月2日時点)…

イサベル・アジェンデの新作: 『日本人の恋びと』

[El Amante Japonés] そういえば、久しぶりにアジェンデの新作の日本語訳が発売されていた! 原題は El Amante Japonés(英題はThe Japanese Lover)。 日本人の恋びと 作者: イサベル・アジェンデ,木村裕美 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/02/…